ポート番号とは、1台のサーバーやパソコンの中で、「どのサービス向けの通信か」を見分けるための番号です。
たとえばWebサイトのHTTPでは80番、HTTPSでは443番、SSHでは22番、メール配送のSMTPでは25番が代表的です。IPアドレスが「どの機器か」を示す住所だとすると、ポート番号は「その機器のどのサービスへ届けるか」を示す受付番号と考えると分かりやすくなります。
30秒でわかる結論
- ポート番号は、同じIPアドレス上の複数サービスを区別する番号
- 番号は0〜65535まであり、TCPやUDPなどのトランスポートプロトコルごとに使われる
- 80番はHTTP、443番はHTTPS、22番はSSH、25番はSMTPが代表的
- メール送信では25番だけでなく587番や465番も使われる
- 53番はDNS、110番はPOP3、143番はIMAPの代表的な番号
- ポート番号が同じでもTCPとUDPでは別の通信として扱われる
- 共用レンタルサーバー利用者は、通常ポート開放を自分で行う必要はない
- VPSでは必要なポートだけをファイアウォールで許可する
- 番号を変更するだけでは十分なセキュリティ対策にならない
ポート番号とは?
インターネット通信では、IPアドレスによって通信先の機器を特定します。
しかし、1台のサーバーではWeb、メール、SSH、DNSなど複数のサービスが同時に動くことがあります。
そこで「どのサービスへ通信を渡すか」を区別するために使われるのがポート番号です。
住所に例えると
IPアドレス:建物の住所
ポート番号:建物内の受付窓口
同じIPアドレスでも、80番へ来た通信はWeb、22番へ来た通信はSSH、というようにサービスを分けられます。
ポート番号は0〜65535まである
TCP・UDPなどで使うポート番号は16ビットで表され、番号は0〜65535まであります。
IANAとRFC 6335では、ポート番号を大きく3つの範囲に分けています。
| 範囲 | 名称 | 概要 |
|---|---|---|
| 0〜1023 | System Ports | Well Known Portsとも呼ばれる |
| 1024〜49151 | User Ports | Registered Portsとも呼ばれる |
| 49152〜65535 | Dynamic / Private Ports | 動的・私的利用向け |
初心者が覚える必要がある番号は一部だけ
0〜65535を暗記する必要はありません。Web・メール・SSHなど、自分が使う代表的なサービスの番号だけ分かれば十分です。
代表的なポート番号一覧
| ポート | 代表的な用途 |
|---|---|
| 21 | FTP |
| 22 | SSH |
| 25 | SMTP |
| 53 | DNS |
| 80 | HTTP |
| 110 | POP3 |
| 143 | IMAP |
| 443 | HTTPS |
| 465 | メール送信(TLS) |
| 587 | メール送信(Submission) |
| 993 | IMAP over TLS |
| 995 | POP3 over TLS |
| 3306 | MySQL |
実際にどのポートを使うかは、サーバー会社・メールサービス・アプリケーション設定によって異なる場合があります。
80番ポートとは?
80番は、HTTPでWebページを配信するときの代表的なポートです。
HTTP = TCP 80番
たとえばブラウザからHTTPサイトへアクセスすると、通常は80番ポートが使われます。
現在の一般的なWebサイトではHTTPSが中心ですが、HTTPからHTTPSへのリダイレクトを受けるために80番を開けておく構成もあります。
443番ポートとは?
443番は、HTTPS通信で使われる代表的なポートです。
HTTPS = 443番
WebサイトをSSL/TLSで暗号化して配信するときに使います。
Webサイト公開の代表例
80番:HTTP
443番:HTTPS
WordPressサイトをHTTPSで公開する場合、外部の利用者が443番へアクセスできる状態が必要です。
22番ポートとは?
22番はSSHの代表的なポートです。
SSH = TCP 22番
SSHは、ネットワーク越しにLinuxサーバーなどへ安全にログインして操作するための仕組みです。
SFTPもSSHを利用するため、22番を使う構成が一般的です。
VPSではSSHを全世界へ無制限公開しない
SSHを使う場合は、公開鍵認証、アクセス元IP制限、ファイアウォールなどを組み合わせて管理します。ポート番号を22番以外へ変更するだけで安全になるわけではありません。
25番ポートとは?
25番はSMTPで使われる代表的なポートです。
SMTP = TCP 25番
特に、メールサーバー同士がメールを配送するときに使われます。
メールソフトから送る番号とは別の場合がある
利用者がOutlookやスマートフォンなどのメールソフトから送信するときは、25番ではなく587番や465番を指定するサービスが一般的です。
587番・465番ポートとは?
メール送信設定では、25番だけでなく587番・465番もよく見かけます。
| ポート | 主な用途 |
|---|---|
| 25 | メールサーバー間のSMTP配送 |
| 587 | メールクライアントからのSubmission |
| 465 | TLSを使ったSubmission |
メールソフトを設定するときは、自分で番号を推測せず、利用しているレンタルサーバーやメールサービスの公式設定値を確認してください。
53番ポートとは?
53番はDNSで使われる代表的なポートです。
DNSは、example.comのようなドメイン名をIPアドレスへ変換する仕組みです。
DNS通信
通常の問い合わせではUDP 53番が使われることがあり、大きな応答やゾーン転送などではTCP 53番も使われます。
「53番=UDPだけ」ではない
DNSではTCPとUDPの両方が使われます。ポート番号だけでなくトランスポートプロトコルも合わせて考える必要があります。
110番・995番はPOP3
POP3は、メールサーバーからメールを受信する方式の1つです。
| ポート | 用途 |
|---|---|
| 110 | POP3 |
| 995 | POP3 over TLS |
現在のメール設定では、暗号化された995番を指定するサービスがあります。
143番・993番はIMAP
IMAPは、メールを主にサーバー上で管理しながら複数端末で同期する受信方式です。
| ポート | 用途 |
|---|---|
| 143 | IMAP |
| 993 | IMAP over TLS |
スマートフォン・パソコンなど複数端末から同じメールボックスを使う場合によく利用されます。
21番ポートとは?
21番はFTPの制御接続で使われる代表的なポートです。
ただしFTPは通信内容が平文になる構成があるため、現在はFTPSやSFTPなど暗号化できる方式を利用することが一般的です。
SFTPは21番ではない
SFTPは「SSH File Transfer Protocol」で、FTPとは別の仕組みです。通常はSSHと同じ22番を利用します。
3306番ポートとは?
3306番はMySQLで広く使われる代表的なポートです。
WordPressではMySQL・MariaDB系データベースを利用するため、内部的にデータベース接続が行われます。
WordPress利用者が3306をインターネットへ開ける必要は通常ない
共用レンタルサーバーでは、データベース接続はホスティング側が管理します。VPSでも、Webサーバーと同じサーバー内や内部ネットワークだけで接続するなら、3306番を全世界へ公開しない設計が基本です。
TCPとUDPでポート番号は別物
「443番ポート」「53番ポート」と聞くと番号だけに注目しがちですが、ポート番号はTCPやUDPなどのトランスポートプロトコルと組み合わせて扱います。
イメージ
TCP 53番
UDP 53番
→ 同じ53番でも別の通信として扱われる
IANAのサービス名・ポート番号レジストリも、TCP・UDPなどのプロトコルごとに割り当てを管理しています。
IPアドレスとポート番号の違い
| 項目 | 役割 |
|---|---|
| IPアドレス | 通信先の機器を特定 |
| ポート番号 | 機器内のサービスを特定 |
例
203.0.113.10:443
→ 203.0.113.10という機器の443番ポート
このように「IPアドレス+ポート番号」で通信先サービスを具体的に区別できます。
URLにポート番号を書かないのはなぜ?
通常のWebアクセスでは、標準ポートならブラウザが自動的に判断するため、URLへ番号を書きません。
通常のURL
http://example.com/ → HTTPの標準ポート80
https://example.com/ → HTTPSの標準ポート443
標準以外のポートを利用する場合は、URLに「:番号」を付けることがあります。
例
https://example.com:8443/
ポート開放とは?
ポート開放とは、外部から特定ポートへの通信を受け付けられるようにすることです。
VPSでは、OSやクラウドのファイアウォールで必要な通信を許可します。
Webサーバーの例
TCP 80:許可
TCP 443:許可
TCP 22:管理用IPだけ許可
TCP 3306:外部公開しない
基本は必要なものだけ開ける
「全部開いて、問題が出たら閉じる」ではなく、必要なサービスを確認してから必要なポートだけ許可するのが基本です。
共用レンタルサーバーでポート設定は必要?
一般的な共用レンタルサーバーでは、HTTP・HTTPS・メール・SSHなどのポート管理はサーバー会社側が行っています。
利用者は管理画面やマニュアルに示された接続先・ポート番号を使うだけでよく、自分でファイアウォールを設定する必要がないケースが大半です。
共用レンタルサーバー
自己設定:ほぼ不要
事業者が公開ポートを管理します。
VPS
自己設定:必要
OS・クラウド側ファイアウォールを自分で管理します。
専用サーバー
自己設定:必要
ネットワークとサービス構成に合わせて設計します。
VPSで最低限確認するポート
WebサイトをVPSで公開するなら、最低限次のような通信を確認します。
Webサーバーの基本
- 80番:HTTPを使うなら許可
- 443番:HTTPSを使うなら許可
- 22番:SSH管理に必要な範囲だけ許可
- DB用ポート:外部公開が本当に必要か確認
- メール用ポート:自分でメールサーバーを運用する場合のみ設計
WordPressを公開するだけなら、MySQLを外部インターネットから直接操作できるようにする必要は通常ありません。
ポート番号を変えれば安全になる?
SSHの22番を別番号へ変えるなど、標準ポートを変更する方法があります。
自動スキャンのノイズを減らす効果は期待できますが、それだけで強固なセキュリティになるわけではありません。
本質的な対策を優先
- ファイアウォール
- アクセス元IP制限
- 公開鍵認証
- 強固なパスワード
- OS・ソフトウェア更新
- 不要サービスの停止
ポート番号変更は補助策として考えてください。
「ポートが閉じている」とは?
外部から接続しようとしても、そのポートでサービスが待ち受けていない、またはファイアウォールで遮断されている状態を「ポートが閉じている」と表現することがあります。
例
HTTPSサイトへ接続したいのにTCP 443番が遮断されている
→ ブラウザからHTTPS接続できない
逆に、ポートが開いていても、そのサービス自体が正常に動いていなければ接続できない場合があります。
ファイアウォールとポート番号の関係
ファイアウォールでは、ポート番号・IPアドレス・プロトコル・通信方向などを条件に通信を許可・遮断します。
例
TCP 443:全世界から許可
TCP 22:自社固定IPからだけ許可
TCP 3306:外部から拒否
既存のファイアウォール記事では、ポート番号を「どのサービス向けの通信か」を判別する条件として扱っています。
ポート番号はどこで確認する?
利用者が設定するポート番号は、サービス提供元の公式マニュアルで確認するのが基本です。
確認先
- レンタルサーバー公式マニュアル
- メールサービスの設定ガイド
- VPS・クラウドの管理画面
- アプリケーション公式ドキュメント
- IANAのService Name and Transport Protocol Port Number Registry
番号を推測しない
「SMTPだから25番」「IMAPだから143番」と決めつけず、実際のサービスが指定する暗号化方式とポート番号を確認してください。
ポート番号でよくある勘違い
よくある誤解
- HTTPSなら80番を使うと思う
- SFTPをFTPと同じ21番だと思う
- メール送信は必ず25番だと思う
- 53番はUDPだけだと思う
- ポート番号を変更すれば攻撃されないと思う
- WordPress利用者は3306番を外部公開する必要があると思う
- 共用サーバーでも自分でポート開放が必要だと思う
教科書判定
初心者は80・443・22・25と、メール受信用ポートの意味が分かれば十分
共用レンタルサーバーでWordPressを使うだけなら、ポート番号を自分で開放・管理する場面はほとんどありません。メールソフトやFTP・SSHの設定時に、公式マニュアル指定の番号を入力できれば十分です。
VPSを自分で管理する場合は、80・443・22など「何のために開けるポートか」を説明できる状態にし、不要なポートは外部へ公開しないようにします。
特にSSH・データベース・メールサーバーは、ポート番号を変えるだけでなく、認証・ファイアウォール・アップデートまで含めて管理してください。
FAQ
Q. ポート番号80と443の違いは何ですか?
A. 80番はHTTP、443番はHTTPSの代表的なポートです。現在の一般的なWebサイトでは、暗号化されたHTTPSの443番が中心です。
Q. SSHは必ず22番ですか?
A. 22番が標準ですが、VPSなどでは管理者が別番号へ変更する場合があります。実際の接続先設定を確認してください。
Q. メール送信は25番と587番のどちらを使いますか?
A. 25番は主にメールサーバー間の配送、587番はメールクライアントからの送信に使われます。465番を指定するサービスもあるため、提供元の設定値を使ってください。
Q. WordPressで3306番を開ける必要がありますか?
A. 通常はありません。共用サーバーではホスティング会社が管理し、VPSでもWebサーバーとDBが同一環境なら外部公開しない構成が一般的です。
Q. 共用レンタルサーバーでファイアウォールのポート設定は必要ですか?
A. 通常はサーバー会社側が管理するため、自分でポート開放する必要はありません。メール・SSH・FTPなどは公式マニュアルの接続番号を使います。
まとめ
ポート番号は「同じサーバー内のどのサービスへ届けるか」を示す番号
- ポート番号は0〜65535まである
- 0〜1023はSystem Ports
- 1024〜49151はUser Ports
- 49152〜65535はDynamic / Private Ports
- 80はHTTP、443はHTTPS、22はSSH、25はSMTP
- 587・465はメール送信設定で使われる
- 53はDNS、110・995はPOP3、143・993はIMAP
- TCPとUDPでは同じ番号でも別の通信
- 共用レンタルサーバーでは通常自分でポート開放しない
- VPSでは必要なポートだけ許可する
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