ホスト名とは、ネットワーク上のコンピューターやサーバーなどを識別するために付ける名前です。 レンタルサーバーやDNSの設定では、「www」「mail」「server1」などの名前や、「www.example.com」のような完全な名前をホスト名と呼ぶことがあります。
初心者が混乱しやすいのは、「ホスト名」「ドメイン名」「FQDN」が似た場面で使われることです。 実際、技術文書でも「ホスト名」は文脈によって少し幅のある使われ方をします。
レンタルサーバー利用者は、まずドメイン名はインターネット上の名前の階層、ホスト名はその中で特定の機器・サービスを識別する名前として使われることが多いと理解すれば十分です。
30秒でわかる結論
30秒でわかる結論
- ホスト名は、ネットワーク上の機器やサービスを識別するための名前
- 「www」「mail」「server1」のような名前をホスト名として扱うことがある
- 「www.example.com」のような完全な名前全体をホスト名と呼ぶ場面もある
- ドメイン名はDNS上の階層的な名前で、ホスト名より広い概念として使われる
- FQDNは、対象をDNS階層上で完全に特定できるドメイン名
- レンタルサーバーのDNS画面で「ホスト名」と表示されたら、www・mailなど入力欄の意味を確認する
- DNS設定ではホスト名が登場するが、共用レンタルサーバーのWordPress初心者がOSのhostnameを変更する必要は通常ない
ホスト名とは?
ホスト名は、ネットワーク上のホストを識別するために使われる名前です。
「ホスト」は、ネットワークへ接続されるコンピューターやサーバーなどを指します。 そのホストへ人が扱いやすい名前を付けたものがホスト名です。
ホスト名のイメージ
- www
- server1
- web01
たとえば「example.com」というドメインの中でWebサーバーを「www」、メールサーバーを「mail」と呼ぶような使い方があります。
www + example.com → www.example.com
ホスト名は「www」だけを指す?
ここが最も混乱しやすい部分です。
RFC 9499では、「host name」「hostname」は長年広く使われてきたものの、DNSの基本RFCで厳密に一つの意味へ定義されてきた用語ではないと整理されています。
実際には、次の2通りの意味で使われることがあります。
| 使い方 | 例 |
|---|---|
| 先頭ラベルだけをホスト名と呼ぶ | www |
| 完全な名前全体をホスト名と呼ぶ | www.example.com |
初心者の対処
管理画面やマニュアルに「ホスト名」と書いてあったら、入力例を確認して「www」を入れる欄なのか「www.example.com」を入れる欄なのか判断してください。
ドメイン名とは?
ドメイン名は、DNS上で使われる階層的な名前です。
例
example.com
「com」の下に「example」がある、というようにDNSの名前空間は階層構造になっています。
Webサイトでは、独自ドメインとして取得した「example.com」をサイトの住所のように利用します。
ホスト名とドメイン名の違い
| 項目 | ホスト名 | ドメイン名 |
|---|---|---|
| 主な意味 | ホスト・サービスを識別する名前 | DNS上の階層的な名前 |
| 例 | www、mail、server1 | example.com |
| 組み合わせ例 | www | example.com |
| 完全な名前 | www.example.com | |
初心者向けに単純化すると
example.com=ドメイン名
www=ホスト名
www.example.com=ホスト名とドメイン名を組み合わせた完全な名前
と考えると理解しやすくなります。
実際の用語は完全には分離されない
「www.example.com」全体をホスト名と呼ぶ文書・管理画面もあります。用語だけで決めつけず、そのサービスの入力例を確認してください。
FQDNとは?
FQDNは「Fully Qualified Domain Name」の略で、DNS上で対象を完全に特定できるドメイン名を指します。
FQDNの例
www.example.com
RFC 9499では、厳密にはDNSルートまで含めた完全な名前は末尾にドットを付けて、次のように書けると説明されています。
厳密な表記
www.example.com.
ただし、通常のWebサイトやレンタルサーバー管理画面では末尾のドットを省略した「www.example.com」をFQDNと呼ぶことも一般的です。
ホスト名・ドメイン名・FQDNを図で整理
www.example.com
www = ホスト名として扱われる部分
example.com = ドメイン名
www.example.com = FQDNとして使われる完全な名前
ただし、技術文書では「www.example.com」全体をhostnameと呼ぶこともあるため、実務では「どの文字列を入力する欄か」を確認するのが最も確実です。
サブドメインとの違い
「www.example.com」の「www」は、DNS上ではexample.comの下にあるラベルであり、Webサービスの説明ではサブドメインとして扱われることもあります。
| 言葉 | 例 | 見方 |
|---|---|---|
| ドメイン | example.com | 基準となる名前 |
| サブドメイン | blog.example.com | example.comの下位 |
| ホスト名 | blog | ホストを示すラベルとして使う場合 |
| FQDN | blog.example.com | 完全な名前 |
同じ文字列でも見方が違う
「blog」はサブドメインを作るためのラベルでもあり、ホスト名として使われることもあります。言葉の分類より、DNS上でどこを指しているかを確認してください。
「www」はホスト名?サブドメイン?
実務上はどちらの説明も見かけます。
「www.example.com」をexample.comのサブドメインと見ることもできますし、「www」というWebサーバー用のホスト名をexample.comへ付けたものと説明することもできます。
初心者は分類にこだわりすぎなくてよい
重要なのは、www.example.comとexample.comはDNS上では別の名前として設定できるという点です。
レンタルサーバーでホスト名はどこに出てくる?
レンタルサーバーでは、ホスト名という言葉が複数の設定画面に登場します。
主な場面
- DNSレコード設定
- FTP・SFTP接続
- メール設定
- データベース接続
- SSH接続
- VPSのサーバー名設定
同じ「ホスト名」でも、設定ごとに入力する値が違うため注意してください。
DNS設定でのホスト名
DNS管理画面では、「ホスト名」「名前」「Name」「Host」などの欄があります。
CNAME設定例
ホスト名:www
種類:CNAME
値:example.hosting-service.com
この場合、ホスト名欄には「www」だけを入力する管理画面があります。 一方で、「www.example.com」とFQDN全体を入力するDNSサービスもあります。
管理画面ごとに入力形式が違う
ドメイン部分を自動補完するサービスで「www.example.com」と入力すると、意図しない名前になる可能性があります。必ず入力例・公式マニュアルを確認してください。
Aレコードとホスト名の関係
Aレコードは、ホスト名・ドメイン名をIPv4アドレスへ対応付けるDNSレコードです。
例
www.example.com → 192.0.2.10
この設定によって、「www.example.com」へアクセスした通信を指定したIPv4アドレスへ案内できます。
AAAAレコードとホスト名の関係
AAAAレコードは、ホスト名をIPv6アドレスへ対応付けます。
例
www.example.com → 2001:db8::10
AレコードはIPv4、AAAAレコードはIPv6という違いです。
CNAMEとホスト名の関係
CNAMEレコードは、ある名前を別のホスト名・ドメイン名の別名として設定するときに使います。
例
www.example.com → example.hosting-service.com
Aレコードとの違い
AレコードはIPアドレスを指定し、CNAMEは別の名前を指定します。
メール設定でもホスト名が出てくる
メールソフトを設定するときも、「受信サーバーのホスト名」「送信サーバーのホスト名」という項目があります。
例
- 受信サーバー:mail.example.com
- 送信サーバー:smtp.example.com
この場合のホスト名は、メールソフトが接続するサーバーの完全な名前を意味しています。
DNSの「ホスト名欄」と意味が違うことがある
メール設定では「mail.example.com」のような完全な名前を入力することが多いため、「ホスト名ならmailだけ」と決めつけないでください。
FTP・SFTPのホスト名とは?
FTP・SFTPソフトにも「ホスト」「ホスト名」「サーバー」という入力欄があります。
ここにはレンタルサーバー会社から指定されたサーバー名や独自ドメインを入力します。
例
- sv123.example-server.jp
- ftp.example.com
- example.com
公式の接続情報を使う
FTPのホスト名は、自分で推測せず、レンタルサーバーの管理画面・開通メール・公式マニュアルに記載された値を使ってください。
データベースのホスト名とは?
WordPressのwp-config.phpでは、データベース接続先としてDB_HOSTを指定します。
例
localhost
レンタルサーバーによっては「mysql123.example.ne.jp」のような専用ホスト名が指定される場合もあります。
独自ドメインとは限らない
データベースのホスト名は、Webサイトのドメイン名とは別の値になることがあります。サーバー会社が指定した値を使ってください。
localhostもホスト名?
localhostは、自分自身のコンピューターを指すために使われる特別な名前です。
一般的なDNS上の公開ホスト名とは性質が異なりますが、接続先を表す名前としてサーバー設定や開発環境で頻繁に使われます。
localhostの仕組みは、別記事「localhostとは?意味と使い方を解説」で詳しく扱います。
VPSのhostnameとは?
LinuxなどのOSでは、サーバー自身にhostnameを設定できます。
例
web01
複数のVPSを管理するときに、「web01」「db01」「mail01」のように役割が分かる名前を付けると管理しやすくなります。
共用レンタルサーバー
自分で変更:通常不要
サーバーそのものは事業者が管理します。
VPS
自分で設定:あり
OS管理者としてhostnameを設定する場合があります。
VPSのhostnameとDNSは自動で連動する?
必ずしも自動連動しません。
OS側でhostnameを「web01.example.com」に変更しても、それだけでインターネット上のDNSへAレコードが自動登録されるとは限りません。
OSのhostname設定 ≠ DNSレコード設定
外部から名前で接続したい場合
- OS側のhostname
- DNSのA・AAAAレコード
- 必要なファイアウォール設定
- 利用サービスの待ち受け設定
それぞれを必要に応じて確認します。
ホスト名とIPアドレスの違い
| 項目 | ホスト名 | IPアドレス |
|---|---|---|
| 例 | www.example.com | 192.0.2.10 |
| 人の扱いやすさ | 覚えやすい | 数字・16進数 |
| 役割 | 名前で識別 | 通信先を識別 |
| DNS | 名前を問い合わせる | A/AAAAなどで取得 |
DNSは、人が扱いやすいホスト名・ドメイン名とIPアドレスを結び付ける役割を持ちます。
ホスト名は世界中で一意でないといけない?
「www」や「server1」のような短いホスト名だけなら、世界中で一意である必要はありません。
例
- www.example.com
- www.example.net
どちらも「www」という名前を使えます。 ドメイン名まで組み合わせることで、DNS上で別の名前として区別できます。
FQDNで区別する
短いhostnameは同じでも、完全なドメイン名が違えば別のホストとして識別できます。
ホスト名に使える文字は?
インターネット上のホスト名として使う名前では、一般に英数字とハイフンを使う形が基本です。
RFC 9499では、hostnameは一般にDNSの「preferred name syntax」に従うドメイン名として考えられ、各ラベルには文字・数字・ハイフンが使われると整理されています。
基本イメージ
- 英字:利用可能
- 数字:利用可能
- ハイフン:利用可能
- 空白:避ける
管理画面の制限を優先
DNS、VPS、メールなどサービスごとに入力ルールが設定されている場合があります。実際の設定ではサービスの公式仕様に従ってください。
「サーバー名」と「ホスト名」は同じ?
同じ意味で使われる場合もありますが、必ず同義とは限りません。
レンタルサーバー会社が「サーバー名」として「sv123.example.ne.jp」を案内し、それをFTP・メール接続時のホスト名として使うケースがあります。
用語より指定値を見る
「サーバー名」「ホスト名」「接続先」の表現が違っても、公式マニュアルで同じ値が指定されているなら、その値を使います。
レンタルサーバー初心者がホスト名を意識する場面
| 場面 | 重要度 | 確認するもの |
|---|---|---|
| WordPressだけ使う | 低 | 通常は自動設定 |
| DNS変更 | 高 | Host/Name欄 |
| FTP・SFTP | 高 | 接続先ホスト名 |
| メール設定 | 高 | 受信・送信ホスト名 |
| DB接続 | 中 | DB_HOST |
| VPS管理 | 高 | OS hostname・DNS |
ホスト名でよくある設定ミス
よくあるミス
- wwwだけ入力する欄へwww.example.comと入力する
- FQDNが必要なのにwwwだけ入力する
- FTPのホスト名を独自ドメインだと思い込む
- メール用ホスト名をWebサーバーと同じだと思い込む
- OSのhostnameを変えればDNSも変わると思う
- CNAMEの接続先へIPアドレスを入れる
入力例を必ず確認
「ホスト名」という言葉の意味を推測して設定するより、サービス公式マニュアルの入力例と同じ形式で設定する方が確実です。
ホスト名が分からないときの確認方法
DNS・FTP・メール・DBなど
wwwか、www.example.comか
特にFTP・メール・データベースのホスト名は、サーバー会社が指定した接続先を使うのが基本です。
教科書判定
初心者は「wwwなどの名前」と「完全な名前」を文脈で見分ければ十分
ホスト名は、技術的にも文脈で使われ方が変わる用語です。 そのため、「ホスト名とは必ずwwwだけ」と暗記する必要はありません。
まずexample.comがドメイン名、www.example.comが完全な名前、wwwはその中のホストを示すラベルとして使われると理解してください。
DNS画面、FTP、メール、データベースでは同じ「ホスト名」という言葉でも入力形式が異なることがあります。 実際の設定では、レンタルサーバー会社・DNSサービスの公式入力例を優先するのが安全です。
共用レンタルサーバーでWordPressを運営するだけなら、OSのhostnameを自分で変更する場面は通常ありません。詳しい設定が必要になるのはVPSを管理するときです。
FAQ
Q.ホスト名とドメイン名は同じですか?
完全に同じではありません。ドメイン名はDNS上の階層的な名前で、ホスト名は機器・サービスを識別する名前として使われます。ただし「www.example.com」全体をホスト名と呼ぶ場合もあります。
Q.wwwはホスト名ですか?
「www.example.com」という名前では、wwwをホスト名として説明することがあります。同時に、www.example.comをexample.comのサブドメインとして扱う説明もあります。
Q.FQDNとは何ですか?
DNS階層上で対象を完全に特定できるドメイン名です。通常は「www.example.com」のような形で使われます。厳密には末尾のDNSルートを示すドットを含む表記もあります。
Q.FTPのホスト名には自分のドメインを入れればよいですか?
必ずではありません。レンタルサーバー会社から「sv123.example-server.jp」のような接続先が指定される場合があります。公式のFTP接続情報を使ってください。
Q.VPSでhostnameを変更すればDNSも自動で変わりますか?
通常は別設定です。OS側のhostname変更だけで、外部DNSのA・AAAAレコードが自動更新されるとは限りません。DNS側も必要に応じて設定してください。
まとめ
この記事の結論
- ホスト名はネットワーク上の機器・サービスを識別するための名前
- wwwやmailなどの先頭ラベルをホスト名と呼ぶ場合がある
- www.example.com全体をホスト名と呼ぶ場面もある
- ドメイン名はDNS上の階層的な名前
- FQDNは対象を完全に特定できるドメイン名
- DNSのホスト名欄はサービスによって入力形式が異なる
- FTP・メール・DBではサーバー会社指定のホスト名を使う
- VPSのOS hostnameとDNS設定は別に確認する
ホスト名は、言葉の定義だけを覚えるより、「どの設定画面で、何を識別するために使っている名前か」を見ることが重要です。 レンタルサーバーの設定では入力例を確認し、「www」なのか「www.example.com」なのかを間違えないようにしてください。
「DNSレコードとは?A・CNAME・MX・TXTの違いを初心者向けに解説」「localhostとは?意味と使い方を解説」「IPアドレスとは?IPv4・IPv6の違いを解説」もあわせて確認してください。