VPSを使えば、自宅PCを24時間起動しなくても、Minecraftなどのマルチプレイ用ゲームサーバーをインターネット上で常時稼働させられます。
ただし、VPSを契約すれば自動的に快適になるわけではありません。ゲームの種類、同時接続人数、MODの有無によって必要なCPU・メモリが大きく変わります。
30秒でわかる結論
- VPSは自宅PCを起動し続けずにゲームサーバーを24時間稼働させたい人に向く
- 必要スペックは「ゲーム名+同時接続人数+MODやプラグイン数」で決める
- 少人数の軽い構成なら2GB前後から検討できるが、4GB以上必要なゲーム・構成も多い
- メモリだけでなくCPUの処理性能も重要で、参加者が増えるほど負荷は上がる
- テンプレート対応VPSなら、OSを一から設定するより構築しやすい
- VPSではOS更新、ポート設定、バックアップなどの管理も利用者側で必要になる
- 数人でたまに遊ぶだけなら自宅PC、24時間いつでも参加したいならVPSが分かりやすい選択
VPSでゲームサーバーを立てるとは?
マルチプレイ対応ゲームの中には、参加者同士を接続するための「ゲームサーバー」を自分で用意できるものがあります。
そのサーバープログラムをVPS上で動かせば、自宅PCとは別に、インターネット上で24時間稼働するゲーム環境を作れます。
ゲーム参加者 → インターネット → VPS上のゲームサーバー → 同じワールドでプレイ
VPSは仮想的な専用サーバー環境なので、ゲームサーバー用ソフトウェアをインストールしたり、必要なポートを開放したりできます。
自宅PCとVPSは何が違う?
| 比較項目 | 自宅PC | VPS |
|---|---|---|
| 24時間稼働 | PCを起動し続ける必要あり | しやすい |
| 電気代 | 自宅側で発生 | VPS料金に含まれる |
| 自宅回線への負荷 | かかる | かからない |
| 外部公開 | ルーター設定などが必要 | 比較的行いやすい |
| 初期設定 | PC知識が必要 | サーバー知識が必要 |
| 月額料金 | 追加料金なしの場合もある | 毎月発生 |
| 友人がいつでも参加 | 自宅PC起動中のみ | 24時間参加可能にしやすい |
ここで伝えたいポイント
VPSの最大のメリットは「ゲームが速くなること」だけではありません。自分のパソコンをゲームサーバーから切り離せることに価値があります。
ゲームサーバー用VPSの必要スペックはどう決める?
VPSのプランを決めるときは、最初にメモリ容量だけを見るのではなく、次の順番で考えます。
- プレイするゲームを決める
- 同時接続人数を決める
- MOD・プラグインの有無を確認する
- ゲーム公式の推奨要件を確認する
- 少し余裕を持ったCPU・メモリを選ぶ
メモリ容量の目安
ゲームサーバーでは、メモリ不足になると処理が止まったり、接続が不安定になったりすることがあります。
ゲームによって必要量は大きく違いますが、初心者がプランを絞るための一般的な目安は次のように考えられます。
| メモリ | 想定用途の目安 | 判断 |
|---|---|---|
| 1GB | 非常に軽いサーバー・検証用途 | ゲーム用途では余裕が少ない |
| 2GB | 少人数・軽量構成 | 最小候補になりやすい |
| 4GB | 少~中人数・一般的なゲームサーバー | 迷ったときの基準にしやすい |
| 8GB | 人数増加・MOD利用・比較的重い構成 | 負荷が高い用途向け |
| 16GB以上 | 大人数・大量MOD・高負荷構成 | 必要性を確認して選ぶ |
注意
この表はゲームを指定しない一般的な目安です。「4GBなら何人でも快適」という意味ではありません。最終的には、利用するゲームサーバーソフトの公式要件を優先してください。
初心者は最低容量ぴったりではなく1段階余裕を持つ
公式の最低要件が2GBなら、予算が許す範囲で4GBも比較する、という考え方です。OS自体もメモリを使用するうえ、参加人数やワールドの成長で負荷が増えるためです。
CPUも重要|人数が増えると処理量も増える
ゲームサーバーでは、参加者の移動、敵やNPCの処理、ワールド生成、アイテム処理などをサーバー側で計算します。
そのため、メモリ容量が十分でもCPU性能が足りなければ、ゲーム内で遅延やカクつきが発生することがあります。
具体例
同じ4GBメモリでも、2人で既存エリアを遊ぶ場合と、10人が別々の方向へ移動して新しいエリアを生成する場合では、後者の方がCPU負荷は高くなりやすくなります。
ゲームによってはコア数より1コアあたりの処理性能が重要な場合もあります。CPUの見方はゲームサーバーごとに確認してください。
同時接続人数から考える
同時接続人数は、VPS選びで分かりやすい判断材料です。
友人同士の少人数プレイ。軽いゲームなら小容量プランから検討できますが、MODやワールド規模によっては4GB以上が必要です。
メモリだけでなくCPU性能も確認。複数人が同時に別エリアで活動すると負荷が増えます。
ゲームごとの推奨構成を確認し、メモリ・CPUに余裕を持たせます。バックアップや監視も重要になります。
一般的な友人向けVPSとは別に考え、負荷試験、監視、障害対応、DDoS対策なども含めて設計します。
MOD・プラグインを使うなら余裕を持つ
MODやプラグインを追加すると、新しい処理やデータが増えるため、標準状態よりCPU・メモリの使用量が増える場合があります。
特に、次のような構成では負荷が上がりやすくなります。
- 多数のMODを同時利用する
- 大量のNPCや自動処理が動く
- 広いワールドを頻繁に生成する
- 複数の大型プラグインを併用する
- 多数のプレイヤーが同時接続する
数字の見方
「参加人数5人だから4GB」と固定的に決めるのではなく、人数は同じでもMODありなら上位プランを検討するという見方をします。
VPSでゲームサーバーを立てる基本手順
一般的な流れは次のとおりです。
| 手順 | 作業内容 |
|---|---|
| 1 | 遊ぶゲームと必要スペックを確認 |
| 2 | VPSを契約 |
| 3 | OSまたはゲーム用テンプレートを選択 |
| 4 | ゲームサーバーソフトをインストール |
| 5 | 必要なポートを許可 |
| 6 | ゲーム側の設定を調整 |
| 7 | 接続テスト |
| 8 | バックアップ・更新設定を確認 |
テンプレートがあるVPSなら作業を減らせる
VPSサービスによっては、特定ゲーム用のアプリケーションイメージやテンプレートが提供されています。
その場合、Linuxをインストールしてからゲームサーバーを手作業で構築するより、初期設定の工程を減らせます。
初心者はこれでOK
初めてゲームサーバーを立てるなら、利用したいゲームのテンプレートを提供しているVPSを優先すると構築が簡単です。価格差が小さいなら、最安料金よりセットアップの簡単さを重視する価値があります。
ポート開放とは?
ゲーム参加者がVPSへ接続するためには、そのゲームで使用する通信ポートを許可する必要があります。
自宅サーバーではルーター側のポート転送設定が必要になることがありますが、VPSでは主にOSやVPS事業者側のファイアウォール設定を確認します。
不要なポートまで開けない
「つながらないから全部許可する」という設定は避けてください。ゲームに必要なポートだけを確認して許可するのが基本です。
ゲームサーバーにもバックアップが必要
ゲームサーバーでは、ワールドデータやプレイヤーデータが継続的に更新されます。
アップデート失敗、MODの不具合、誤操作、ファイル破損が起きると、長時間遊んだデータを失う可能性があります。
100時間遊んだワールド + バックアップなし = 障害1回で100時間分を失う可能性
ゲーム用VPSを選ぶときは、CPUとメモリだけでなく、スナップショットや自動バックアップの有無も確認してください。
バックアップで確認すること
- 自動バックアップがあるか
- 何世代・何日分保存されるか
- 復元操作を自分でできるか
- バックアップが別料金か
- ゲーム停止中に取得すべきか
VPSの料金は参加人数で割ると判断しやすい
ゲーム用VPSは、友人と複数人で使うケースが多いため、サーバー料金を1人あたりへ換算すると負担感が分かりやすくなります。
具体例
月額2,000円のVPSを5人で使うと仮定します。
2,000円 ÷ 5人 = 1人あたり月400円
同じサーバーを毎週利用するなら、1人あたりの負担は比較的小さくなります。ただし、代表者が契約・支払い・管理を担当する必要があります。
反対に、1人で月に数回しか使わないなら、常時稼働のVPSが割高になる場合もあります。
VPSと自宅PCはどちらを選ぶ?
ホスト役のPCを起動できるなら、自宅PCでも十分なケースがあります。まず追加費用なしで試す選択も可能です。
ホスト不在でも接続できるVPSが便利です。24時間サーバーを開いておきたいグループに向きます。
ゲームサーバーをVPSへ分離すれば、自宅回線側でサーバーを公開せずに済みます。
高負荷になる可能性があるため、必要なメモリ・CPUを確保できるVPSを選びます。自宅PCの方が高性能なら、必ずしもVPSが速いとは限りません。
ゲーム用VPSで失敗しやすいポイント
最安プランだけで決める
ゲームサーバーはWebページを表示するだけの用途とは負荷の性質が異なります。メモリ不足やCPU不足になると、接続できても快適に遊べない場合があります。
参加人数だけでメモリを決める
同じ5人でも、軽い標準構成と大量MOD環境では必要スペックが違います。
バックアップを後回しにする
ワールドが育ってからバックアップを考えるのでは遅い場合があります。サーバー公開直後から自動保存の方法を決めてください。
OSやゲームサーバーを更新しない
古いソフトウェアを放置すると、セキュリティ上の問題やクライアントとのバージョン不一致につながる可能性があります。
契約前チェックリスト
- 遊ぶゲームの公式推奨スペックを確認した
- 最大同時接続人数を決めた
- MOD・プラグインの有無を決めた
- CPU・メモリに少し余裕がある
- ゲーム用テンプレートの有無を確認した
- 必要なポートを確認した
- バックアップ方法を確認した
- 上位プランへ変更できるか確認した
教科書判定|ゲーム用VPSは「24時間遊びたいか」で決める
友人がいつでも参加できる環境を作りたいならVPS
数人で決まった時間だけ遊び、ホスト役が毎回PCを起動できるなら、最初からVPSを契約する必要はありません。一方、ホスト不在でも参加したい、24時間ワールドを開放したい、自宅PCや回線と切り離したいならVPSを選ぶ価値があります。
プランは「最安」から選ぶのではなく、ゲーム公式要件 → 最大参加人数 → MOD → 余裕分の順に決めます。
よくある質問
Q.ゲーム用VPSは2GBで足りますか?
ゲームと人数によります。軽い構成や少人数なら候補になりますが、大量MODや人数の多いサーバーでは不足することがあります。まずゲーム公式の推奨要件を確認してください。
Q.VPSを契約すれば自宅PCを消してもゲームサーバーは動きますか?
はい。VPSはデータセンター側で動くため、自宅PCを終了してもVPS自体は稼働します。ゲームサーバープログラムが正常に起動していれば、他の参加者は接続できます。
Q.ゲームをプレイするPCとVPSのスペックは同じ考え方ですか?
同じではありません。VPSはゲーム画面を描画するPCではなく、主にゲーム世界や参加者の処理を担当します。そのため、一般的なゲームPCで重要なGPU性能を必要としないゲームサーバーも多くあります。
Q.VPSならラグはなくなりますか?
なくなるとは限りません。CPU・メモリ不足だけでなく、参加者からVPSまでの通信距離、ネットワーク混雑、ゲーム側の処理などでも遅延は発生します。
Q.ゲームを遊ばない時間はVPSを停止すれば料金は安くなりますか?
課金方式によります。停止中も契約料金が発生するVPSがあります。時間課金型でも、ストレージなど停止後に料金が残る場合があるため、契約先の料金条件を確認してください。
まとめ|VPSならゲームサーバーを自宅PCから切り離せる
この記事の結論
- VPSを使えばゲームサーバーを24時間稼働させやすい
- 自宅PCを起動し続ける必要がない
- 必要スペックはゲーム・人数・MODで決める
- メモリだけでなくCPU性能も重要
- 初心者はゲーム用テンプレート対応VPSを選ぶと構築しやすい
- バックアップ、ポート設定、OS更新も忘れない
- 数人で短時間だけ遊ぶなら自宅PC、いつでも参加したいならVPSが有力
最初に「何GBを契約するか」を決めるのではなく、遊ぶゲームと最大参加人数を決めてから必要スペックを逆算するのが、ゲーム用VPSで失敗しにくい選び方です。
次に読むなら
ゲーム用VPSの仕組みが分かったら、次は「VPSのセキュリティ対策|最低限やるべき設定」を確認して、SSH・ファイアウォール・OS更新など公開サーバーで必要な基本対策を整えましょう。