DNSレコードとは、ドメイン名を「どのサーバーへ接続するか」「どのメールサーバーで受信するか」などを決める設定情報です。ホームページ公開、メール設定、サブドメイン作成、サービス認証などで使います。初心者はすべての種類を覚える必要はなく、A・CNAME・MX・TXTの役割を押さえれば基本的な設定を理解しやすくなります。
30秒でわかる結論
- DNSレコードは、ドメインと接続先・各種サービスを結び付ける設定情報
- AレコードはドメインをIPv4アドレスへ向ける
- AAAAレコードはIPv6アドレスへ向ける
- CNAMEは別のホスト名を参照させる
- MXはメール受信先、TXTは認証情報などに使う
- NSはそのドメインのDNSを管理するネームサーバーを示す
- 設定変更後はTTLやキャッシュの影響で、すぐ全環境へ反映されないことがある
DNSレコードとは?
DNSレコードは、DNS上に登録する「ドメインの案内情報」です。
たとえば「example.comへアクセスされたら、203.0.113.10というWebサーバーへ案内する」「example.com宛のメールはmail.example.netへ届ける」といった情報を登録します。
具体例
「example.com」という人が読める名前だけでは、ブラウザは接続先のサーバーを判断できません。DNSレコードにIPアドレスなどの接続先を登録しておくことで、ホームページへアクセスできるようになります。
ここで伝えたいポイント
DNSレコードは「ドメインの行き先を決める住所録」と考えると分かりやすくなります。
DNSレコードの主な種類
初心者がよく見るDNSレコードは次の6種類です。
| レコード | 主な役割 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| A | IPv4アドレスを指定 | Webサーバーへ接続 |
| AAAA | IPv6アドレスを指定 | IPv6対応サーバーへ接続 |
| CNAME | 別のホスト名を参照 | wwwや外部サービス接続 |
| MX | メール受信先を指定 | 独自ドメインメール |
| TXT | 文字列情報を登録 | SPF・認証・所有権確認など |
| NS | DNSを管理するネームサーバーを指定 | DNS管理先の指定 |
Aレコードとは?
Aレコードは、ホスト名をIPv4アドレスへ対応付けるDNSレコードです。
設定例
example.com → 203.0.113.10
このように設定すると、example.comへアクセスした利用者を203.0.113.10のサーバーへ案内できます。
レンタルサーバーやVPSへ独自ドメインを接続するときによく使います。
初心者はこれでOK
「ドメインを特定のサーバーIPへ直接向けたい」ときは、まずAレコードを確認します。
AAAAレコードとは?
AAAAレコードは、ホスト名をIPv6アドレスへ対応付けるDNSレコードです。
AレコードがIPv4用、AAAAレコードがIPv6用という違いです。
| 種類 | 対応するIP |
|---|---|
| A | IPv4 |
| AAAA | IPv6 |
注意
IPv6を使わない環境で誤ったAAAAレコードを残すと、利用環境によって接続トラブルの原因になることがあります。利用中サーバーの公式設定値に合わせて登録してください。
CNAMEレコードとは?
CNAMEレコードは、あるホスト名を別のホスト名へ対応付けるために使います。
設定例
www.example.com → example.hosting-service.com
IPアドレスを直接指定するのではなく、別のホスト名を参照させます。
外部サービスやCDN、SaaSへサブドメインを接続するときによく使います。
Aレコードとの違い
Aレコードは「IPアドレス」を指定し、CNAMEは「別のホスト名」を指定します。
MXレコードとは?
MXレコードは、そのドメイン宛のメールをどのメールサーバーで受信するかを指定します。
具体例
「info@example.com」宛のメールをGoogle WorkspaceやMicrosoft 365などで受信したい場合、指定されたMXレコードをDNSへ登録します。
MXレコードには優先度があり、数値が小さいサーバーから優先して配送先として利用される構成が一般的です。
MX優先度:数値が小さいほど優先度が高い
メール利用中のDNS変更に注意
Webサーバーを移転するときにDNS設定をまとめて変更し、MXレコードを消してしまうと、ホームページは表示できてもメールが届かなくなることがあります。
TXTレコードとは?
TXTレコードは、任意の文字列情報をDNSへ登録するためのレコードです。
現在は、主に次のような用途で使われます。
- SPFなどメール送信元の認証
- DKIM関連設定
- DMARC関連設定
- Google Search Consoleなどの所有権確認
- 外部サービスのドメイン認証
具体例
外部サービスから「このTXT文字列をDNSへ追加してください」と指定された場合、その文字列を登録することで、ドメイン所有者であることを確認する仕組みがあります。
NSレコードとは?
NSレコードは、そのドメインのDNS情報をどのネームサーバーが管理するかを示すレコードです。
ドメイン会社からレンタルサーバーのDNSへ管理先を変更する場合などに関係します。
DNSレコードとネームサーバーの関係
ネームサーバーが「DNS情報を管理する場所」、A・MX・TXTなどのDNSレコードが「その中に登録される具体的な設定」と考えると整理しやすくなります。
TTLとは?
TTLは「Time To Live」の略で、DNS情報をキャッシュとして保持する時間の目安です。
たとえばTTLが3600秒なら、1時間を意味します。
3600秒 ÷ 60 = 60分
DNSレコードを変更しても、以前の情報をキャッシュしているDNSサーバーや端末では、一定時間古い接続先が使われることがあります。
| TTL | 時間換算 |
|---|---|
| 300 | 5分 |
| 1800 | 30分 |
| 3600 | 1時間 |
| 86400 | 24時間 |
「変更したのに古いサイトが見える」ことがある
DNS変更直後は、利用している回線やDNSキャッシュによって新旧の接続先が混在することがあります。設定が正しくても、全利用者が同時に切り替わるとは限りません。
DNSレコード変更はいつ行う?
ホームページ移転やメールサービス変更では、公開直前ではなく事前準備が重要です。
A・MX・TXTなど既存設定を保存する
ホスト名、値、優先度、TTLを確認する
メールなど無関係な設定を消さない
ホームページ表示と送受信を両方テストする
よくあるDNS設定ミス
MXレコードを消してメールが届かなくなる
ホームページ移転だけのつもりでDNSゾーンを初期化し、メール用MXレコードまで消すケースがあります。
AレコードのIPアドレスを間違える
1桁違うだけでも別サーバーへ接続されるため、コピー&ペースト後に確認します。
wwwあり・なしを片方しか設定しない
「example.com」は表示できるのに「www.example.com」は表示できない、といった状態になることがあります。
TXTレコードを上書きしてしまう
既存のメール認証TXTレコードを削除して新しい認証情報だけ登録すると、メール配信に影響する可能性があります。
注意
DNSは「追加」と「置き換え」を区別してください。既存設定を消してよいか分からない場合は、現在のレコード一覧を保存してから作業します。
用途別に触るDNSレコードを判断する
サーバーのIPアドレスへ向ける場合はA・AAAAを確認します。
サービス側からホスト名を指定された場合はCNAMEを使うことがあります。
メール受信先はMX、送信認証などはTXTを確認します。
Search Consoleや各種SaaSでドメイン所有権を確認する場合にTXTを利用することがあります。
DNSレコードはどこで設定する?
DNSレコードは、「現在そのドメインのDNSを管理しているサービス」で設定します。
ドメインを購入した会社と、実際にDNSを管理している会社が同じとは限りません。
具体例
ドメインはA社で取得し、ネームサーバーはB社のレンタルサーバーを使っている場合、DNSレコードはB社側で設定するケースがあります。
初心者はこれでOK
DNSレコードを変更する前に、まず現在のネームサーバーを確認してください。設定場所を間違えると、画面上では変更できても実際の名前解決には反映されません。
DNSレコード変更前のチェックリスト
チェックリスト
- 現在のレコード一覧を保存したか
- DNSを管理しているサービスを確認したか
- 変更するレコード種別は合っているか
- ホスト名・値・優先度を確認したか
- メール用MX・TXTを消さないか確認したか
- wwwあり・なしの両方を確認したか
- TTLと反映待ち時間を理解したか
- 変更後にWeb・メールをテストする準備をしたか
教科書判定:初心者はA・CNAME・MX・TXTの4つを先に覚える
すべて暗記せず「何をしたいか」からレコードを選ぶ
ホームページ接続ならA、外部サービスへの別名接続ならCNAME、メール受信ならMX、認証情報ならTXT。この4つを最初に理解すれば、一般的なドメイン設定の多くを読み解けます。NSやAAAAは必要になった段階で役割を確認すれば十分です。
よくある質問
Q.DNSレコードを変更するとすぐ反映されますか?
必ずしもすぐではありません。TTLや各DNSキャッシュの状態によって、古い情報が一定時間利用されることがあります。
Q.AレコードとCNAMEは何が違いますか?
AレコードはIPv4アドレスを直接指定し、CNAMEは別のホスト名を指定します。接続先サービスの案内に従って使い分けます。
Q.ホームページを移転したらMXレコードも変更しますか?
メールサービスを変えないなら、通常はMXを変更する必要はありません。Webだけ移転する場合は、メール用設定を誤って消さないよう注意してください。
Q.TXTレコードはいくつ登録できますか?
複数登録できる構成があります。既存のSPFや認証情報を消してよいとは限らないため、新しいTXTを追加する際は既存設定との関係を確認してください。
Q.DNSレコードを間違えたら元に戻せますか?
元の値が分かっていれば戻せます。ただし、再変更後もキャッシュの影響が残ることがあるため、作業前に現在の設定を保存しておくことが重要です。
まとめ
この記事の結論
- DNSレコードはドメインの接続先やサービスを決める設定
- AはIPv4、AAAAはIPv6
- CNAMEは別ホスト名への参照
- MXはメール受信先
- TXTは認証・文字列情報
- NSはDNS管理先を示す
- 変更前に現状保存、変更後にWeb・メール確認を行う
DNSレコードは種類が多く見えますが、実際には「何を接続したいか」で選べます。初心者はまずA・CNAME・MX・TXTを理解し、設定変更前に現在のレコードを保存してから作業してください。
次に読むなら
DNSレコード全体が分かったら、「Aレコードとは?」「CNAMEレコードとは?」「MXレコードとは?」「TXTレコードとは?」を個別に確認すると、実際の設定画面を読みやすくなります。