Aレコードとは?仕組み・設定例・CNAMEとの違いを解説

Aレコードは、DNS設定の中でも特によく使われるレコードです。

役割を一言でいうと、ドメイン名をIPv4アドレスへ結び付ける設定です。たとえば「example.com」にアクセスした人を「203.0.113.10」というWebサーバーへ案内するときに使います。

30秒でわかる結論

  • Aレコードはドメイン名とIPv4アドレスを結び付けるDNSレコード
  • Webサイトを特定のサーバーへ向けるときによく使う
  • 設定値には通常、IPv4アドレスを入力する
  • wwwあり・なしは別々に設定が必要な場合がある
  • サーバー移転ではAレコードのIPアドレスを書き換えることがある
  • TTLが長いと変更反映に時間がかかる場合がある
  • CNAMEは別のホスト名へ向ける設定で、Aレコードとは役割が違う

Aレコードとは?

Aレコードは、DNSレコードの一種です。

ドメイン名やホスト名をIPv4アドレスへ対応付けるために使います。

example.com → 203.0.113.10

この設定があることで、利用者がブラウザへ「example.com」と入力したとき、DNSを通じて接続先サーバーのIPv4アドレスを確認できます。

初心者向けに言い換えると

Aレコードは「このドメインへ来た人を、このIPv4アドレスのサーバーへ案内してください」という住所案内です。

Aレコードは何のために使う?

Aレコードは、主にWebサイトやサーバーの接続先を指定するときに使います。

用途 Aレコードの役割
Webサイト公開 ドメインをWebサーバーのIPv4へ向ける
サブドメイン 特定サブドメインを別サーバーへ向ける
サーバー移転 旧IPから新IPへ変更する
複数環境 用途ごとに別IPへ振り分ける

具体例

会社サイトを新しいレンタルサーバーへ移した場合、新サーバーのIPv4アドレスが「203.0.113.20」なら、Aレコードの値をそのIPへ変更します。

Aレコードの設定例

DNS管理画面では、一般的に「ホスト名」「タイプ」「値」「TTL」などを入力します。

項目 設定例
ホスト名 @ または空欄
タイプ A
値 203.0.113.10
TTL 3600秒など

ただし、ホスト名の書き方はDNSサービスによって異なります。「@」がルートドメインを意味する場合もあれば、空欄で入力するサービスもあります。

管理画面の表記は会社ごとに違う

「ホスト名」「名前」「Name」「レコード名」など、同じ意味でも項目名が違うことがあります。入力前に各サービスのマニュアルを確認してください。

wwwあり・なしは同じAレコード?

「example.com」と「www.example.com」は、DNS上では別の名前です。

そのため、両方を使いたい場合は、別々に設定する必要があります。

例

example.com → 203.0.113.10
www.example.com → 203.0.113.10

www側はAレコードで同じIPへ向けてもよいですし、CNAMEで「example.com」へ向ける構成もあります。

教科書判定

初心者は「wwwあり・なしを別設定」と覚える

ブラウザ上では似ていますが、DNSでは別ホストです。どちらも表示したい場合は、両方が正しく名前解決できるようにしてください。

AレコードとCNAMEの違い

AレコードとCNAMEは、どちらも接続先を案内するDNSレコードですが、指定する相手が違います。

種類 指定先 例
Aレコード IPv4アドレス 203.0.113.10
CNAME 別のホスト名 example.com

A:名前 → IPアドレス
CNAME:名前 → 別の名前

使い分け例

「example.com」をAレコードで203.0.113.10へ向け、「www.example.com」をCNAMEでexample.comへ向ける構成があります。

AレコードとAAAAレコードの違い

AレコードはIPv4アドレス用です。

IPv6アドレスへ結び付ける場合は、AAAAレコードを使います。

レコード 対象 例
A IPv4 203.0.113.10
AAAA IPv6 2001:db8::1

初心者はこれでOK

レンタルサーバーから「AレコードにこのIPを設定してください」と案内された場合は、そのIPv4アドレスをAレコードへ入力します。IPv6を使う指示がある場合はAAAAレコードを確認します。

TTLとは?

TTLは、DNSの情報をキャッシュとして保持する時間の目安です。

たとえばTTLが3600秒なら、1時間を意味します。

3600秒 ÷ 60 = 60分

DNS情報は各所でキャッシュされるため、Aレコードを書き換えても、世界中の利用者へ瞬時に新しい値が反映されるとは限りません。

サーバー移転前に使う考え方

移転前にTTLを短くしておくと、切り替え後に古いIP情報が残る時間を短くできる場合があります。ただし、実際の反映時間はDNSキャッシュ状況にも左右されます。

サーバー移転でAレコードを変えるとどうなる?

サーバー移転では、旧サーバーと新サーバーのIPアドレスが違う場合、Aレコードの変更が必要になります。

STEP 1.新サーバーを用意する
STEP 2.Webデータを移す
STEP 3.新サーバーで動作確認する
STEP 4.Aレコードを新IPへ変更する
STEP 5.新旧サーバーへのアクセスを確認する
十分な移行期間後に旧サーバーを停止

Aレコードだけ先に変えない

新サーバーへWebデータやSSL設定を用意する前にAレコードを変更すると、準備できていないサーバーへ利用者がアクセスすることがあります。先に新サーバーを準備してください。

Aレコード変更後すぐ反映されないのはなぜ?

DNSにはキャッシュがあるため、変更後もしばらく古いAレコードを参照する利用者がいる場合があります。

たとえばTTLが3600秒なら、その値だけを見ると最大1時間程度古い情報が保持される可能性があります。

TTL 3600秒 = 1時間

ただし、実際の反映時間は利用しているDNS、インターネット事業者、端末、ブラウザ、ローカルキャッシュなど複数の要因で変わります。

教科書判定

変更直後に表示が違っても、すぐ再設定しない

Aレコード変更後、一部環境だけ旧サーバーが表示される場合はDNSキャッシュの可能性があります。設定値を再確認し、TTLを考慮して待ってから判断してください。

Aレコードを変更するとメールも止まる?

メール配送先は主にMXレコードで指定します。

そのため、Webサイト用Aレコードを変更しただけで必ずメールが止まるわけではありません。

ただし、MXレコードの宛先ホストがAレコードを参照している構成や、Webとメールを同じサーバーで使っている構成では影響する場合があります。

変更前に確認

  • MXレコードの値
  • メールサーバーのホスト名
  • SPF・DKIMなどのDNSレコード
  • Webとメールが同じサーバーか

Aレコードはどこで設定する?

Aレコードは、現在そのドメインのDNSを管理しているサービスで設定します。

必ずしも「ドメインを取得した会社」と同じとは限りません。

例

ドメインをA社で取得し、ネームサーバーをB社へ変更している場合、実際のAレコード設定はB社側で行うケースがあります。

まずネームサーバーを確認

「どこでAレコードを変更すればいいか分からない」ときは、現在どのネームサーバーを使っているか確認してください。DNSを管理している場所が分かります。

Aレコードが間違っていると何が起こる?

設定ミス 起きる可能性があること
IPアドレスを間違える 別サーバーへ接続される
レコードを削除する Webサイトへ接続できなくなる
旧IPのまま 旧サーバーが表示され続ける
www側を未設定 www付きURLだけ表示できない

変更前の値を必ず控える

Aレコードを変更するときは、元のホスト名・IPアドレス・TTLを保存してください。問題が起きたときに元へ戻しやすくなります。

Aレコードを複数設定することもある

同じホスト名に複数のAレコードを設定する構成もあります。

たとえば複数サーバーへアクセスを分散したり、冗長化の一部として使ったりする場合です。

例

example.com → 203.0.113.10
example.com → 203.0.113.11

ただし、複数Aレコードを設定すれば自動的に完全な負荷分散や障害対策になるわけではありません。

教科書判定

初心者の通常サイトならAレコードは1つで十分なことが多い

レンタルサーバーから指定された1つのIPv4アドレスへ向けるだけなら、複雑な複数Aレコード構成は不要です。必要性が明確な場合だけ利用してください。

初心者向けAレコード設定手順

STEP 1.レンタルサーバー側で指定IPを確認
STEP 2.現在のDNS管理画面を開く
STEP 3.変更前のレコードを保存
STEP 4.タイプ「A」を選ぶ
STEP 5.ホスト名とIPv4アドレスを入力
STEP 6.TTLを確認して保存
反映後、wwwあり・なし、HTTPS、メールを確認

教科書判定|Aレコードは「IPアドレスを直接指定するとき」に使う

教科書判定

サーバー会社からIPv4を指定されたらAレコード

初心者は、「接続先として203.0.113.10のようなIPv4アドレスを指定されたらAレコード」と覚えれば十分です。別のホスト名を指定された場合はCNAMEなど別レコードの可能性があるため、案内どおりに設定してください。

よくある質問

Q.Aレコードは何の略ですか?

AはAddressを表し、ホスト名をIPv4アドレスへ対応付けるレコードです。

Q.Aレコードを変えるとドメイン名も変わりますか?

いいえ。ドメイン名はそのままで、接続先のIPv4アドレスだけを変更できます。

Q.AレコードとCNAMEはどちらを使えばいいですか?

IPv4アドレスへ直接向けるならAレコード、別のホスト名へ向けるならCNAMEが基本です。レンタルサーバーやサービスの指定に従ってください。

Q.Aレコード変更後、反映までどれくらいかかりますか?

TTLや各所のDNSキャッシュによって異なります。変更直後から新しいIPが見える環境もあれば、しばらく旧IPを参照する環境もあります。

Q.Aレコードを設定すればSSLも使えますか?

Aレコードは接続先を指定する設定です。HTTPSを使うには、接続先サーバー側でSSL証明書の設定も必要です。

まとめ|AレコードはドメインとIPv4をつなぐ設定

この記事の結論

  • Aレコードはドメイン名をIPv4アドレスへ結び付ける
  • Webサイトの接続先サーバー指定でよく使う
  • wwwあり・なしは別設定になる場合がある
  • CNAMEは別ホスト名へ向けるため役割が違う
  • IPv6ではAAAAレコードを使う
  • TTLによって変更反映まで時間差が出る
  • 変更前の設定を保存してから作業する

初心者は、「Aレコード=ドメイン名をIPv4アドレスへ向ける設定」と覚えておけば十分です。サーバー移転や独自ドメイン設定でIPv4アドレスを指定されたときに使い、変更後はWebサイト・www・HTTPS・メールまで確認してください。

次に読むなら

Aレコードの役割が分かったら、次は「CNAMEレコードとは?」で、ホスト名から別のホスト名へ向ける仕組みとの違いを確認してください。