IPアドレスとは?IPv4・IPv6の違いを解説

レンタルサーバーやDNSの設定をしていると、「IPアドレス」「IPv4」「IPv6」という言葉が出てきます。

IPアドレスは、インターネットやネットワーク上で通信相手を識別するための番号です。Webサイトでは、ドメイン名からDNSを使ってIPアドレスを調べ、そのIPアドレスのサーバーへ接続します。

30秒でわかる結論

  • IPアドレスは、ネットワーク上の機器や接続先を識別するための番号
  • IPv4は32bit、IPv6は128bitのアドレスを使う
  • IPv4は203.0.113.10のような10進数4組で表す
  • IPv6は2001:db8::1のような16進数で表す
  • ドメインをIPv4へ向けるDNSレコードはA、IPv6へ向けるのはAAAA
  • グローバルIPとプライベートIPは役割が違う
  • IPv6は「IPv4より必ず速い」というものではない
  • 共用レンタルサーバー利用者は、サーバー会社が指定するA/AAAAレコードを正しく設定できれば十分

IPアドレスとは?

IPアドレスは、Internet Protocolで通信するときに使うアドレスです。

インターネット上でWebサーバー、メールサーバー、パソコン、スマートフォンなどが通信するとき、「どこへ送るか」「どこから来たか」を識別するために使われます。

住所にたとえると

ドメイン名が「人が覚えやすい名前」、IPアドレスが「通信で使う住所」のような関係です。

ただし、実際のIPアドレスは常に1台の物理サーバーだけを示すとは限りません。CDN、ロードバランサー、共有サーバーなどでは、1つのIPアドレスの先に複数のシステムがあることもあります。

ドメイン名とIPアドレスの関係

ブラウザでexample.comへアクセスすると、まずDNSを使って接続先を調べます。

1.ドメイン名を入力
example.com
2.DNSへ問い合わせ
3.IPアドレスを取得
4.そのIPへ接続
5.Webページを受信

既存記事で解説しているAレコードはIPv4アドレスを、AAAAレコードはIPv6アドレスをドメインへ対応付けるために使います。

IPv4とは?

IPv4はInternet Protocol version 4の略です。

IPv4アドレスは32bitで構成され、一般的には0~255の10進数を4つ、ピリオドで区切って表します。

IPv4の例

203.0.113.10

32bitなので、理論上のアドレス数は約43億個です。

232 = 4,294,967,296

ただし、すべてを一般インターネットで自由に使えるわけではなく、プライベート用・ループバック・マルチキャスト・文書例示用など、特別な用途に予約された範囲があります。

IPv6とは?

IPv6はInternet Protocol version 6の略で、IPv4の後継として設計されたIPです。

IETFのRFC 8200では、IPv6はアドレス長をIPv4の32bitから128bitへ拡張したと定義されています。

IPv6の例

2001:db8::1

IPv6では通常、16進数をコロンで区切って表します。また、連続する0を::で省略できるため、IPv4より長いアドレスでも短く書ける場合があります。

IPv4:32bit
IPv6:128bit

IPv4とIPv6の違い

項目 IPv4 IPv6
アドレス長 32bit 128bit
表記例 203.0.113.10 2001:db8::1
表記方法 10進数+ピリオド 16進数+コロン
DNSレコード A AAAA
アドレス空間 約43億 非常に大きい

最大の違いはアドレス空間

IPv6では128bitへ拡張されたため、IPv4よりはるかに多くのIPアドレスを扱えます。

IPv6ならIPv4より速い?

IPv6だから必ず通信が速くなるとは言えません。

実際の速度は、通信事業者、経路、混雑状況、サーバー設置場所、CDN、端末、ネットワーク構成など複数の要因で変わります。

「IPv6=必ず高速」は言い切れない

家庭用インターネットではIPv6 IPoEなどの接続方式によって混雑を避けやすくなるケースがありますが、それはIPv6というアドレス形式だけで速度が決まるという意味ではありません。

グローバルIPアドレスとは?

グローバルIPアドレスは、一般にインターネット上で通信先として使えるアドレスです。

Webサーバーを公開するときは、外部から到達できるIPアドレスが必要になります。

レンタルサーバーでは

サーバー会社から「AレコードにこのIPv4アドレスを設定してください」と案内された場合、そのアドレスへドメインを向けます。

プライベートIPアドレスとは?

プライベートIPアドレスは、家庭内LANや社内ネットワークなど、閉じたネットワーク内で使うために予約されたIPv4アドレスです。

代表的な範囲は次のとおりです。

範囲 用途
10.0.0.0/8 プライベート利用
172.16.0.0/12 プライベート利用
192.168.0.0/16 プライベート利用

自宅ルーターの設定画面で192.168.1.1のようなアドレスを見るのは、このプライベートIPが使われているためです。

固定IPと動的IPの違い

IPアドレスには、「固定」「動的」という使われ方の違いもあります。

種類 意味
固定IP 原則として同じIPを継続利用する
動的IP 接続や契約条件によってIPが変わることがある

Webサーバーでは、DNSの接続先として安定して使えるIPが必要ですが、レンタルサーバーでは利用者が直接固定IPを管理せず、サービス側の仕組みで提供される場合もあります。

共用レンタルサーバーではIPアドレスを共有する?

共用レンタルサーバーでは、複数のWebサイトが同じIPアドレスを共有する構成があります。

Webサーバーは、アクセスされたドメイン名を見て、どのサイトを表示するか判断できます。

同じIPだから同じサイトではない

1つのIPアドレスに複数ドメインが割り当てられていても正常です。共用サーバーでは一般的な構成です。

IPアドレスが変わると何が起こる?

サーバー移転や基盤変更でWebサーバーのIPアドレスが変わる場合、DNSのA・AAAAレコードを変更する必要があります。

1.新サーバーを用意
2.新しいIPを確認
3.A/AAAAレコードを変更
4.DNSキャッシュが更新
5.利用者が新サーバーへ接続

DNSにはTTLやキャッシュがあるため、レコードを書き換えても世界中で瞬時に切り替わるとは限りません。

AレコードとAAAAレコードの違い

DNSレコード 接続先
A IPv4アドレス
AAAA IPv6アドレス

設定イメージ

A:example.com → 203.0.113.10

AAAA:example.com → 2001:db8::1

サーバー会社がIPv6対応を案内していないのに、適当なAAAAレコードを設定してはいけません。

誤ったAAAAレコードに注意

AAAAレコードが存在すると、IPv6対応環境からそのIPv6アドレスへ接続しようとする場合があります。実際にWebサーバーがそのIPv6で応答できないと接続トラブルの原因になります。

203.0.113.10は実在のサーバーIP?

この記事や技術資料では、203.0.113.10のようなIPアドレスを例として使っています。

IANAでは203.0.113.0/24を文書・説明用のTEST-NET-3として予約しており、一般の公開サーバー向けに使うアドレスではありません。

IPv6の2001:db8::/32も文書例示用として使われます。

記事の例をそのままDNSへ入れない

実際の設定では、必ず契約中のレンタルサーバーやVPSが指定したIPアドレスを使ってください。

自分のIPアドレスは公開しても大丈夫?

Webサーバーの公開IPアドレスは、通常インターネット上の通信に使うための情報であり、ドメインのDNSレコードから確認できる場合があります。

一方、管理画面へのアクセス制限や社内ネットワークの構成などでは、IPアドレスをセキュリティ設定に使うことがあります。

IPアドレスだけで安全性は決まらない

公開IPを隠すことだけをセキュリティ対策と考えず、WordPress更新、WAF、認証、アクセス制限、バックアップなどを組み合わせます。

レンタルサーバー利用者は何を知ればよい?

共用レンタルサーバー 理解度 ★★☆☆☆

Aレコード=IPv4、AAAAレコード=IPv6と覚え、公式の指定値を設定できれば十分です。

WordPress初心者 理解度 ★★☆☆☆

普段はIPを意識せず、ドメインとサーバーを正しく接続できれば問題ありません。

VPS利用者 理解度 ★★★★☆

固定IP、ネットワークインターフェース、IPv6、ファイアウォールまで理解する必要があります。

サーバー移転 重要度 ★★★★★

旧IP・新IPとDNS切り替えを正確に管理します。

教科書判定

教科書判定

初心者は「IPアドレス=通信先の番号、IPv4はA、IPv6はAAAA」と覚えれば十分

共用レンタルサーバーでWordPressを使うだけなら、IPv4・IPv6の仕組みを細部まで理解する必要はありません。

ドメイン設定でAレコードを求められたらIPv4、AAAAレコードを求められたらIPv6の指定値を入力し、自己判断で別のIPを設定しないことが重要です。

VPSや自社サーバーを管理する場合は、グローバル/プライベートIP、固定IP、IPv6、ファイアウォールなども理解して運用してください。

FAQ

Q.IPv4とIPv6はどちらが新しいですか?

IPv6の方が新しく、IPv4の後継として設計されています。IPv4は32bit、IPv6は128bitのアドレスを使います。

Q.IPv6にすると必ずサイトが速くなりますか?

必ずではありません。通信速度はネットワーク経路、混雑、サーバー性能、CDNなど複数の要因で変わります。

Q.AレコードとAAAAレコードの違いは?

AレコードはIPv4アドレス、AAAAレコードはIPv6アドレスをドメインへ対応付けます。

Q.192.168.1.1はインターネット上の公開IPですか?

いいえ。192.168.0.0/16はプライベート利用向けの範囲です。家庭や社内LANでよく使われます。

Q.共用レンタルサーバーで専用IPは必要ですか?

通常のWordPressサイト運営では必須ではありません。複数サイトでIPを共有する構成でも、ドメイン名を使って正しいサイトを表示できます。

まとめ

この記事の結論

  • IPアドレスはネットワーク上の通信先を識別する番号
  • IPv4は32bit、IPv6は128bit
  • IPv4はAレコード、IPv6はAAAAレコードでドメインへ対応付ける
  • グローバルIPとプライベートIPは用途が違う
  • IPv6だから必ず高速になるとは限らない
  • 共用サーバーでは複数サイトが同じIPを共有することがある
  • サーバー移転でIPが変わる場合はDNSレコード変更が必要
  • 初心者はサーバー会社の公式指定値に従って設定すればよい
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