ドメイン移管とは、現在ドメインを管理している会社から、別のドメイン管理会社へ管理を移す手続きです。
Webサイトの引っ越しと混同されやすいですが、ドメイン移管は「ドメインの管理会社を変える手続き」です。レンタルサーバーやWordPressのデータを移す作業とは別に考えます。
一般的な.comや.netでは、移管ロックを解除してAuthCodeを取得し、移管先で申請する流れが基本です。.jpでは「指定事業者変更」として手続きされ、JPRSのルールに従います。
30秒でわかる結論
- ドメイン移管は「ドメイン管理会社を変更する手続き」
- WebサイトやWordPressのサーバー移転とは別作業
- .com・.netなどのgTLDではAuthCodeと移管ロック解除が基本
- 新規登録後60日以内や、前回移管後60日以内は移管できない場合がある
- 登録者情報変更後に60日ロックがかかる場合もあるため、変更順序に注意する
- .jpではJPRSの指定事業者変更手続きを使い、AuthCodeと承認手続きが必要
- 移管前後でDNS設定が変わっていないか確認し、Webサイトとメールをテストする
ドメイン移管とは?
ドメイン移管とは、独自ドメインを管理している事業者を変更することです。
例
A社で管理している example.com を、B社のドメイン管理サービスへ移すのがドメイン移管です。
ドメインそのものの文字列は変わりません。
example.com のまま
管理会社だけ A社 → B社
移管が完了しても、正しく設定を維持できればWebサイトのURLやメールアドレスを変更する必要はありません。
ドメイン移管とサーバー移転は別
初心者が最も混同しやすいのが、ドメイン移管とサーバー移転です。
| 作業 | 変更するもの | 例 |
|---|---|---|
| ドメイン移管 | ドメイン管理会社 | A社 → B社へ管理変更 |
| サーバー移転 | Webサイトを置くサーバー | サーバーA → サーバーB |
| DNS変更 | ドメインの接続先 | 旧サーバー → 新サーバー |
ここで伝えたいポイント
ドメイン管理会社を変えるだけなら、Webサーバーを同時に変える必要はありません。逆に、サーバーだけ移転してドメイン管理会社はそのままでも運用できます。
なぜドメインを移管するの?
ドメイン移管を行う主な理由は、料金や管理のしやすさです。
- 複数ドメインを1社へまとめたい
- 更新料金を下げたい
- レンタルサーバーと同じ会社で管理したい
- 現在の管理画面が使いにくい
- サポート体制を変えたい
- 制作会社管理から自社管理へ戻したい
更新料金を5年間で比較
現在の会社が年4,000円、移管先が年2,000円だと仮定します。
(4,000円 − 2,000円)× 5年 = 10,000円差
1ドメインなら差は小さくても、10ドメインあれば5年間で10万円差になる計算です。
移管前に確認する7項目
移管前チェックリスト
- ドメインの有効期限が近すぎない
- 登録者メールを受信できる
- 移管ロックを解除できる
- AuthCodeを取得できる
- 新規登録・前回移管から一定期間が経過している
- DNS・ネームサーバーの現在値を控えた
- Webサイト・メールのバックアップや設定情報を確認した
移管条件はドメイン種類や管理会社によって異なるため、申請直前に現在の管理会社と移管先の最新案内も確認してください。
.com・.netなどの移管で必要なAuthCodeとは?
AuthCodeは、ドメイン移管時に本人確認のため使う認証コードです。
ICANNでは、Auth-Codeを「Authorization Code」「Auth-Info Code」「transfer code」などとも呼び、gTLDを別レジストラへ移管するときに必要なコードとして説明しています。
AuthCode = ドメイン移管用の認証コード
現在の管理会社のコントロールパネルから確認・発行できる場合と、サポートへ申請して発行してもらう場合があります。
AuthCodeは他人に公開しない
AuthCodeは移管承認に使う重要な情報です。メールやチャットで第三者へ不用意に送らず、移管先の正式な申請画面だけで使用してください。
移管ロックとは?
.comや.netなどでは、第三者による不正な移管を防ぐため「ClientTransferProhibited」などの移管ロックが設定されていることがあります。
移管申請前に、現在の管理会社でこのロックを解除します。
ICANNのTransfer Policyでは、利用者が解除手段を持たない場合、登録者からの要求後5日以内にレジストラがClientTransferProhibitedを解除するルールがあります。
初心者はこれでOK
管理画面に「ドメインロック」「移管ロック」「Transfer Lock」などの項目があれば、移管前に解除します。名称は会社によって異なります。
60日ルールに注意する
.comなどICANNの移管ポリシーが適用されるドメインでは、一定期間移管できない場合があります。
代表的なのが次のケースです。
| 状況 | 移管制限の例 |
|---|---|
| 新規登録直後 | 登録から60日以内は移管不可の場合 |
| 前回移管直後 | 前回移管から60日以内は移管不可の場合 |
| 登録者情報変更後 | 60日ロックが適用される場合 |
ICANNでは、新規登録後60日以内、または前回のレジストラ移管後60日以内は、新しいレジストラへ移管できないルールを案内しています。また、登録者名・組織名・メールアドレスなどの変更後に60日ロックがかかる場合があります。
移管前に登録者情報を変更しない
移管する予定があるのに先に登録者情報を変更すると、60日ロックがかかって移管できなくなる場合があります。登録者情報変更と移管を両方行うなら、現在の管理会社・移管先の手順を先に確認してください。
.com・.netなどを移管する基本手順
登録者メールを受信できるか確認します。
移管後に設定が変わっていないか確認できるようにします。
ドメイン名とAuthCodeを入力します。
移管には何日かかる?
移管完了までの時間は、ドメイン種類や管理会社、承認方法によって異なります。
ICANNのTransfer Policyでは、gTLDの移管要求について、現在のレジストラから拒否がなければレジストリ側で5日以内に処理が進む仕組みがあります。
余裕を持って進める
「今日申請して明日必ず完了」とは考えず、数日~1週間程度の余裕を持って進める方が安全です。特にドメイン有効期限直前の移管は避けてください。
.jpドメインの移管は「指定事業者変更」
.jpドメインでは、管理会社を変更する手続きをJPRSでは「指定事業者変更」と呼びます。
JPRSの現行ルールでは、JPドメイン名の指定事業者変更にもAuthCodeが利用されます。
AuthCodeを入力します。
JPRSによると、JPドメイン用AuthCodeには有効期限があり、生成日の翌日を1日目として35日後の23:59:59までです。
.jpは.comと同じ手順と思い込まない
「AuthCodeを使う」という点は似ていますが、制度や承認手続きは異なります。.jpは現在の指定事業者と変更先指定事業者の手順を確認してください。
移管するとWebサイトは止まる?
ドメイン管理会社だけを変え、DNS・ネームサーバー設定が正しく維持されれば、通常はWebサイトURLを変更する必要はありません。
ただし、移管に伴ってDNS設定まで変更すると、Webサイトやメールが一時的に利用できなくなる可能性があります。
| 変更内容 | サイト停止リスク |
|---|---|
| 管理会社だけ変更 | 低い |
| ネームサーバーも同時変更 | 高くなる |
| サーバーも同時移転 | より慎重な作業が必要 |
初心者は「ドメイン移管」と「サーバー移転」を同日にやらない
トラブルが起きたとき原因を切り分けやすくするため、まずドメイン移管だけ完了させ、Webサイト・メールが正常なことを確認してからサーバー移転を行う方が安全です。
メールを使っている場合はDNS設定を必ず確認
独自ドメインメールを利用している場合、Webサイトだけでなくメール用DNSレコードも重要です。
MXレコード、SPF、DKIMなどが現在のDNSサービスに設定されている場合、移管やDNS変更時に設定が失われるとメール送受信に影響することがあります。
移管後に確認
- Webサイトが表示される
- WordPress管理画面へ入れる
- メールを送信できる
- メールを受信できる
- SSL証明書エラーが出ない
- DNS・ネームサーバーが意図した設定になっている
ドメイン有効期限直前の移管は避ける
移管には数日かかることがあるため、有効期限の直前に始めると手続き中に期限が近づき、余計なトラブルを招く可能性があります。
余裕を持つ例
有効期限があと3日なら、先に現在の管理会社で更新し、その後に移管を検討する方が安全な場合があります。具体的な扱いはドメイン種類・各社ルールを確認してください。
重要な会社ドメインでは、少なくとも数週間以上の余裕を持って移管計画を立てると安心です。
移管費用はいくらかかる?
移管料金はドメイン種類と移管先によって異なります。
gTLDでは、移管料金に1年分の更新が含まれる形で案内されるサービスもあります。
料金比較の見方
移管料金2,000円で有効期限が1年延長される場合、単純な「手数料2,000円」とは意味が違います。
移管費用 + 更新年数 + 次回更新料金
この3点をセットで比較してください。
移管後に有効期限はどうなる?
ドメイン種類によって、移管時に有効期限が延長される場合と、管理事業者だけが変更される場合があります。
そのため、「移管したら必ず1年延びる」と一律に考えないでください。
初心者はこれでOK
移管先の料金ページで「移管料金」「更新期間」「移管後の有効期限」の3項目を確認します。
移管できないときの主な原因
| 原因 | 確認すること |
|---|---|
| 移管ロック中 | 現在の管理会社で解除 |
| AuthCodeが違う | 再取得・コピー確認 |
| 60日制限 | 登録日・前回移管日を確認 |
| 登録者情報変更ロック | 変更日時を確認 |
| 有効期限・契約状態 | 現在の管理会社へ確認 |
| 承認メール未対応 | 登録メール・迷惑メールを確認 |
制作会社管理のドメインを自社へ移す場合
ホームページ制作会社がドメインを管理している場合は、誰がドメインの登録者になっているか確認してください。
自社名義のドメインでも、AuthCode取得やロック解除を制作会社側で行う必要がある場合があります。
制作会社へ確認する項目
- ドメインの登録者名義
- 現在の管理会社
- ドメイン有効期限
- AuthCode
- 移管ロック解除
- 現在のネームサーバー
- DNSレコード一覧
先に契約関係を整理
制作会社との契約終了日にいきなり移管を依頼するのではなく、必要情報を事前に受け取ってください。Webサイト・メールの運用情報も同時に確認すると安全です。
初心者向けドメイン移管の安全な順番
教科書判定|「安いから移管」より、管理をまとめたいときに移管する
1ドメインの年間数百円差だけなら、無理に移管しなくてもよい
ドメイン移管には確認作業と一定のリスクがあります。現在の会社に大きな不満がなく、費用差も小さいならそのままでも問題ありません。複数ドメインをまとめたい、更新料金差が大きい、制作会社管理から自社管理へ戻したいなど、明確なメリットがあるときに移管するのがおすすめです。
よくある質問
Q.ドメインを移管するとURLは変わりますか?
いいえ。同じドメイン名を管理会社間で移すため、通常はURL自体は変わりません。
Q.移管するとホームページは消えますか?
管理会社だけを変更し、DNS設定が維持されればWebサイトデータが自動的に消えるわけではありません。ただし、DNS・ネームサーバーを誤変更すると表示に影響するため、移管前後の確認が必要です。
Q.AuthCodeはどこで確認できますか?
現在のドメイン管理会社の管理画面またはサポート経由で取得します。会社によって「認証コード」「AuthInfo」「EPPコード」など名称が異なる場合があります。
Q.ドメイン取得直後でも移管できますか?
.comなどでは、新規登録から60日以内の移管が制限される場合があります。ドメイン種類と現在の管理会社のルールを確認してください。
Q..jpもAuthCodeが必要ですか?
はい。JPRSではJPドメイン名の指定事業者変更でAuthCodeを利用します。変更元で取得し、変更先で申請する流れです。
まとめ|AuthCodeとDNS設定を確認してから移管する
この記事の結論
- ドメイン移管は管理会社を変更する手続き
- サーバー移転とは別作業
- .com等では移管ロック解除とAuthCode取得が基本
- 新規登録・前回移管・登録者変更後の60日制限に注意する
- .jpではJPRSの指定事業者変更手続きを使う
- 移管前にDNS・ネームサーバー情報を保存する
- 移管後はWebサイト・メール・SSL・自動更新を確認する
ドメイン移管で最も大切なのは、「申請すること」より「移管前の状態を記録し、移管後に同じ状態で動いていることを確認すること」です。AuthCode、ロック、60日制限、DNSを確認してから進めれば、初心者でも安全に管理会社を変更しやすくなります。
次に読むなら
移管前に登録者情報や公開情報を確認したい場合は、「Whois情報とは?」で、Whoisの役割とプライバシー保護について確認してください。