DNSサーバーとは、example.comのようなドメイン名を、WebサーバーのIPアドレスなどへ結び付けるために使われるサーバーです。
私たちはWebサイトを見るときにIPアドレスを覚える必要がありません。ブラウザへドメイン名を入力すると、DNSサーバーが「そのサイトはどこにあるか」を調べ、正しい接続先へ案内します。
30秒でわかる結論
- DNSサーバーは、ドメイン名とIPアドレスなどの対応情報を扱うサーバー
- ブラウザでexample.comを開くと、DNSを使って接続先を調べる
- DNSサーバーには、キャッシュDNS・権威DNS・ルートDNSなど役割の違いがある
- A・AAAA・CNAME・MX・TXTなどのDNSレコードが接続先情報になる
- DNS障害が起きると、サーバー自体が正常でもWebサイトへ到達できないことがある
- 設定変更後はTTLとキャッシュの影響で反映に時間差が出る
- 初心者は「DNS=案内の仕組み」「DNSサーバー=その案内処理をするサーバー」と覚えれば十分
DNSサーバーとは?
DNSサーバーは、Domain Name Systemで使われるサーバーです。
インターネット上では、WebサーバーやメールサーバーはIPアドレスで識別されます。しかし、人間が「203.0.113.10」のような数字を毎回覚えるのは大変です。
そこで、example.comのような覚えやすい名前とIPアドレスを結び付けるのがDNSです。
example.com → DNSで確認 → 203.0.113.10 → Webサーバーへ接続
ここで伝えたいポイント
DNSサーバーはWebページそのものを保存するサーバーではありません。「どこへ接続すればよいか」を案内する役割です。
DNSサーバーとWebサーバーの違い
| 項目 | DNSサーバー | Webサーバー |
|---|---|---|
| 主な役割 | 接続先を案内する | Webページを配信する |
| 扱うもの | DNSレコード | HTML・画像・WordPressなど |
| 例 | example.com → IP | アクセスに対してページを返す |
住所案内で考えると
DNSサーバーは住所を調べる案内所、Webサーバーは実際の建物です。案内所が正しい場所を教えてくれて初めて、目的の建物へ到着できます。
DNSサーバーには種類がある
「DNSサーバー」とひとことで言っても、すべてが同じ仕事をしているわけではありません。
| 種類 | 役割 |
|---|---|
| キャッシュDNSサーバー | 利用者の代わりにDNS情報を調べ、結果を一時保存する |
| ルートDNSサーバー | .comや.jpなどを管理するDNSへ案内する |
| TLD DNSサーバー | .com、.jpなどの配下の権威DNSへ案内する |
| 権威DNSサーバー | そのドメインの正式なDNSレコードを回答する |
初心者は「調べる側」と「正式情報を持つ側」を分けて覚える
キャッシュDNSは利用者の代わりに情報を調べる側、権威DNSはそのドメインの正式な情報を持つ側です。この2つを分けて理解するとDNSの仕組みが見えやすくなります。
キャッシュDNSサーバーとは?
キャッシュDNSサーバーは、利用者の端末からDNS問い合わせを受け、必要な情報を代わりに調べるサーバーです。
一度調べた情報は一定時間キャッシュするため、同じ問い合わせに毎回最初から調べ直す必要がありません。
利用者 → キャッシュDNS → 権威DNSなどへ問い合わせ → 結果を返す
キャッシュがある理由
毎回すべてのDNSサーバーへ問い合わせると処理量が増えます。結果を一定時間保存することで、応答を速くし、DNS全体の負荷も減らせます。
権威DNSサーバーとは?
権威DNSサーバーは、そのドメインについて正式なDNS情報を保持するサーバーです。
example.comのAレコード、MXレコード、TXTレコードなどを管理し、問い合わせに対して正式な回答を返します。
例
example.com のAレコードが 203.0.113.10 に設定されている場合、権威DNSサーバーはその情報を返します。
「ネームサーバー」と呼ばれることも多い
ドメイン管理画面で表示される「ネームサーバー」は、実務上そのドメインの権威DNSサーバーを指すことが多くあります。
ルートDNSサーバーとは?
ルートDNSサーバーは、DNS問い合わせの起点となる重要な役割を持ちます。
example.comの正確なIPアドレスを直接知っているわけではなく、「.comについてはこのTLD DNSへ聞いてください」という形で次の問い合わせ先を案内します。
ルート → .comのDNS → example.comの権威DNS → IPアドレス
Webサイトが表示されるまでのDNS問い合わせ
example.comへ初めてアクセスすると仮定すると、概念的には次のような流れになります。
example.comを開く。
保存済み情報があるか確認。
.comの問い合わせ先を案内。
example.comの権威DNSを案内。
example.comのIP情報を回答。
ブラウザがIPアドレスへ接続。
実際にはOSやブラウザ、ルーターなどにもキャッシュがあるため、毎回このすべてを問い合わせるわけではありません。
DNSレコードとは?
DNSサーバーが扱う具体的な設定情報がDNSレコードです。
| 種類 | 主な役割 |
|---|---|
| A | ドメインをIPv4アドレスへ向ける |
| AAAA | IPv6アドレスへ向ける |
| CNAME | 別のホスト名へ向ける |
| MX | メール配送先を指定する |
| TXT | SPFや各種認証情報などを登録する |
| NS | 権威DNSサーバーを示す |
DNSサーバーは「箱」、DNSレコードは「中に入る設定情報」
DNSサーバー自体とA・MX・TXTなどのレコードを混同しないようにしてください。サーバー移転では、DNSサーバーを変えずにAレコードだけ変更することもできます。
DNSサーバーとネームサーバーは同じ?
文脈によって近い意味で使われますが、厳密には同じ言葉ではありません。
DNSサーバーはDNS処理に関わるサーバー全般を指せます。一方、ドメイン管理でいう「ネームサーバー」は、そのドメインの権威DNSを指すことが多いです。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| DNSサーバー | DNSに関わるサーバー全般 |
| ネームサーバー | 名前解決を行うサーバー。実務では権威DNSを指すことが多い |
設定画面では「ネームサーバー」を確認
レンタルサーバーやドメイン会社の管理画面で「ネームサーバーを変更してください」と書かれている場合は、そのサービスが指定する権威DNSへ切り替える操作と考えると分かりやすいです。
DNSサーバーは自分で契約する必要がある?
一般的な個人ブログや会社サイトでは、DNSサーバーを単独で自分で構築する必要はありません。
通常は次のサービスに含まれています。
- ドメイン管理会社
- レンタルサーバー
- DNS専用サービス
- CDN・クラウドサービス
初心者はこれでOK
ドメイン取得後、レンタルサーバーが指定するネームサーバーへ設定すれば使えるケースが多いです。DNSサーバーを自分で一から構築する必要はありません。
DNSサーバーが障害になるとどうなる?
Webサーバー自体が正常でも、DNSで接続先を調べられなければ、利用者はサイトへ到達できません。
Webサーバー正常 + DNS解決失敗 = ドメイン名ではサイトへ到達できない
同じドメインでメールも使っている場合は、MXレコードを確認できなくなり、メール配送にも影響する可能性があります。
「サーバー障害」に見えてDNS障害の場合もある
ホームページが開かないとき、WebサーバーだけでなくDNS解決が正常か確認すると原因を切り分けやすくなります。
DNS障害を切り分ける方法
はい → DNSを確認。
返らない → DNS設定・権威DNSを確認。
はい → Webサーバー側を確認。
はい → DNSキャッシュの可能性。
DNSのTTLとは?
TTLは、DNS情報をどのくらいキャッシュしてよいかを示す時間です。
例
TTLが3,600秒なら、キャッシュDNSなどが約1時間その情報を保持する設定です。
3,600秒 ÷ 60 = 60分
サーバー移転などでDNSレコードを変更したあと、すぐ全利用者へ新情報が反映されないのは、古い情報がキャッシュされていることが理由の1つです。
DNSサーバーを変更するのはどんなとき?
新サーバー会社のネームサーバーへ切り替える場合があります。
DNS管理を別サービスへ移すためネームサーバーを変更します。
ネームサーバーはそのままでAレコードだけ変更する方法もあります。
「DNSサーバーを変える必要があるか」と「接続先を変える必要があるか」は別
Webサーバーを移すだけなら、Aレコード変更で済む場合があります。DNS管理先そのものを移したいときに、ネームサーバー変更を行います。
DNSサーバーの設定でよくある失敗
ネームサーバーだけ変えてDNSレコードを移していない
新しいDNS側にA・MX・TXTなどが揃っていないと、Webやメールが止まることがあります。
Webだけ見てメールを確認しない
Aレコードが正しくても、MXやTXTが間違っていればメールだけ不具合が起きます。
設定変更直後に旧サーバーを解約する
DNSキャッシュが残っている利用者は旧サーバーへ接続する場合があります。
何時間も待てば直ると思い込む
設定そのものが間違っていれば、時間が経っても直りません。
DNSサーバーを理解するための3つの言葉
| 言葉 | 覚え方 |
|---|---|
| DNS | ドメインと接続先を結ぶ仕組み |
| DNSサーバー | DNSの問い合わせ・回答を処理するサーバー |
| DNSレコード | A・MX・TXTなど具体的な設定情報 |
まずこの3つで十分
ルートDNSやTLD DNSまで詳しく覚えなくても、WordPressやレンタルサーバーの設定では「DNS・DNSサーバー・DNSレコード」の違いが分かれば多くの作業を理解できます。
教科書判定|初心者は「案内役」と覚える
DNSサーバーは、サイトそのものではなく「サイトの場所を案内するサーバー」
ホームページが表示される仕組みを理解するときは、DNSサーバーとWebサーバーを分けて考えてください。DNSが接続先を案内し、その先のWebサーバーがページを返します。この2段階を理解すれば、サーバー移転やDNS障害の切り分けもしやすくなります。
よくある質問
Q.DNSサーバーとネームサーバーは同じですか?
近い意味で使われることがありますが、DNSサーバーはDNSに関わるサーバー全般を指せます。ドメイン設定でいうネームサーバーは、権威DNSを指すことが多いです。
Q.DNSサーバーがなくてもWebサイトは見られますか?
IPアドレスを直接指定できる構成もありますが、通常のドメイン名でアクセスするにはDNSが必要です。また、HTTPSや仮想ホストなどの関係で単純にIPだけでは正常表示できないサイトもあります。
Q.DNSサーバーは自分で用意する必要がありますか?
一般的なレンタルサーバー利用者なら不要です。ドメイン会社やレンタルサーバー、DNSサービスが提供するDNSを利用できます。
Q.DNSサーバーを変更するとメールも影響しますか?
影響する可能性があります。新しいDNS側へMX・TXTなど必要なメール関連レコードを移していないと、送受信や認証に問題が出ることがあります。
Q.DNS設定を変えたのに古いサイトが表示されます
DNSキャッシュが残っている可能性があります。TTLを確認し、別回線やDNS検索ツールでも確認してください。長時間変わらない場合は設定ミスも疑います。
まとめ|DNSサーバーはドメインの接続先を案内する
この記事の結論
- DNSサーバーはドメイン名と接続先情報を扱う
- Webサーバーとは役割が違う
- キャッシュDNSと権威DNSでは役割が異なる
- A・MX・TXTなどが具体的なDNSレコード
- DNS障害ではWebサーバーが正常でもサイトへ到達できないことがある
- サーバー移転ではDNS管理先ごと変えるか、レコードだけ変えるかを判断する
- 初心者は「DNSサーバー=案内役」と覚えれば十分
結局、DNSサーバーとは「ドメイン名から、Webやメールの正しい接続先を案内するために使われるサーバー」です。ホームページのデータを置くWebサーバーとは別物なので、サイトが開かないときも「DNSで場所を引けないのか」「Webサーバーが応答しないのか」を分けて考えてください。
次に読むなら
DNSサーバーの役割が分かったら、次は「DNSとネームサーバーの違い」を確認すると、DNS全体の仕組みと、ドメイン管理画面で変更するネームサーバーの関係をさらに整理できます。