Webサイトのバックアップとは、サイトのファイルやデータベースを別の場所へ保存し、障害・誤操作・改ざん・サーバー移転などの際に元の状態へ戻せるようにすることです。WordPressサイトでは、画像やテーマなどの「ファイル」と、記事本文や設定を保存する「データベース」の両方をバックアップする必要があります。
30秒でわかる結論
- Webサイトのバックアップは、障害や誤操作から復旧するための保存データ
- WordPressでは「ファイル+データベース」の両方が必要
- 自動バックアップがあっても、保存期間と復元方法を確認する
- 重要サイトは同じサーバーだけでなく外部にも保存する
- 更新頻度が低いサイトは週1回、高いサイトは毎日以上を目安にする
- 3〜5世代以上残すと、壊れた状態を上書きしにくい
- バックアップは「取る」だけでなく「戻せるか」まで確認して完成
Webサイトのバックアップとは?
Webサイトのバックアップとは、現在のサイトデータを別の場所へ複製して保存しておくことです。
サイトが壊れた、データを消した、アップデート後に不具合が出た、サーバー障害が起きたといった場合に、保存しておいたデータから復旧できます。
ここで伝えたいポイント
バックアップは「念のため保存するデータ」ではなく、「問題が起きたときに復旧するための保険」です。
何をバックアップする?
WordPressサイトなら、最低でも「ファイル」と「データベース」の2つを保存します。
| 対象 | 主な内容 |
|---|---|
| ファイル | 画像、テーマ、プラグイン、WordPress本体、設定ファイル |
| データベース | 記事、固定ページ、ユーザー、設定、コメントなど |
WordPressの完全バックアップ = ファイル + データベース
片方だけでは不十分
画像ファイルだけ保存しても記事本文や設定は戻りません。逆にデータベースだけでは画像・テーマ・プラグインを完全復旧できません。
バックアップが必要になる場面
WordPress・テーマ・プラグイン更新後に表示崩れやエラーが出た場合に戻せます。
記事や画像、設定を間違えて削除したときに復旧できます。
感染前の正常な世代へ戻すために使います。
旧サーバーから新サーバーへデータを移す際の保険になります。
自動バックアップと手動バックアップの違い
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| サーバー自動バックアップ | 手間が少ない | 保存期間・復元条件を確認 |
| プラグイン | WordPress内で管理しやすい | 保存先・容量・動作負荷を確認 |
| 手動 | 任意のタイミングで取得できる | 取り忘れや作業ミスがある |
初心者はこれでOK
まずレンタルサーバーの自動バックアップを有効にし、重要な変更前だけ手動バックアップを追加する運用が分かりやすいです。
バックアップ頻度はどれくらい?
更新頻度が高いほど、バックアップ頻度も上げます。
| サイト | 目安 |
|---|---|
| 月数回更新の会社サイト | 週1回程度 |
| 毎日更新するブログ | 1日1回程度 |
| EC・予約サイト | 1日1回以上を検討 |
| 大規模更新・移転前 | 作業直前に手動取得 |
更新損失で考える
毎日10件注文が入るECサイトで、バックアップが7日前しかないと、最大70件分のデータを失う可能性があります。
10件/日 × 7日 = 最大70件
何世代残せばいい?
最新1個だけではなく、複数世代を残すのが基本です。
具体例
毎日バックアップを5世代残せば、「昨日」「2日前」「3日前」など複数時点へ戻せます。
最低3〜5世代、重要サイトはさらに長く残す
問題に気づくまで数日かかることがあります。最低3〜5世代、重要サイトでは7〜14日以上など、運営実態に合わせて保存期間を長くしてください。
同じサーバーだけに保存しない
バックアップを本番サーバーと同じ場所にだけ保存すると、サーバー障害やアカウント侵害時に一緒に失う可能性があります。
保存先を分ける
本番サーバー、自動バックアップ、外部ストレージなど、障害範囲が異なる場所へ分散するのが安全です。
| 保存先 | 特徴 |
|---|---|
| 同一サーバー | 復旧は速いが、同時障害に弱い |
| 別サーバー | 障害を分離しやすい |
| クラウドストレージ | 外部保存しやすい |
| ローカルPC・外付け | ネットワーク外にも保存できる |
バックアップ容量を数字で考える
サイト容量10GBを毎日フルバックアップし、7世代保存する場合、単純計算では70GB必要です。
10GB × 7世代 = 70GB
30世代なら300GBです。
10GB × 30世代 = 300GB
容量不足に注意
バックアップを本番サーバー内へ大量保存すると、空き容量を圧迫します。古い世代の整理や外部保存を組み合わせてください。
フルバックアップと差分・増分の違い
| 方式 | 保存内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| フル | 毎回すべて保存 | 復元が分かりやすいが容量大 |
| 差分 | 前回フル以降の変更 | 復元しやすさと容量の中間 |
| 増分 | 前回バックアップ以降の変更 | 容量を抑えやすいが復元工程が増える |
初心者はこれでOK
方式を自分で選べないレンタルサーバーも多いため、まず「何日分残るか」「復元できるか」を確認すれば十分です。
バックアップはどのタイミングで取る?
手動バックアップを追加する場面
- WordPress本体更新前
- テーマ更新・変更前
- プラグイン大量更新前
- PHPバージョン変更前
- サーバー移転前
- 大規模なデザイン変更前
- データベース一括置換前
更新前の1個が重要
定期バックアップが毎日あっても、作業直前の状態を保存しておくと、失敗時に直前へ戻しやすくなります。
バックアップがあっても復元できなければ意味がない
バックアップ運用で最も見落とされやすいのが、復元確認です。
よくある失敗
バックアップファイルは残っているが、データベースが含まれていない、ファイルが破損している、復元手順が分からない、といったケースです。
ファイルとDBが含まれているか
本番障害時にもアクセスできるか
管理画面・手動・サポート依頼のどれか
可能なら実際に戻せるか試す
レンタルサーバーの自動バックアップで確認すること
契約前チェックリスト
- 自動バックアップはあるか
- 何日分保存されるか
- ファイルとDBの両方が対象か
- 復元は無料か有料か
- 自分で復元できるか
- バックアップ容量は契約容量に含まれるか
- 障害時にサポートへ依頼できるか
3-2-1ルールとは?
バックアップ設計でよく使われる考え方に「3-2-1ルール」があります。
3コピー・2種類の媒体・1コピーを別場所へ
Webサイトなら、本番データ+サーバー自動バックアップ+外部ストレージなどの組み合わせで考えられます。
具体例
本番サーバーに1つ、自動バックアップに1つ、クラウドストレージに1つ保存すれば、同じ障害で全データを失うリスクを下げられます。
用途別のバックアップ基準
更新頻度が低ければ週1回でも運用しやすいです。大きな変更前は手動取得します。
1日分以上の更新を失いたくないなら、毎日バックアップします。
注文・予約データが頻繁に変わるため、より短い間隔も検討します。
大きな作業単位ごとに戻せる状態を作ります。
バックアップ運用の判断フロー
はい → 週1回程度+更新前を基準
はい → 1日1回以上を検討
はい → 保存期間と復元方法を確認
はい → 外部保存を追加
いいえ → テスト環境で確認
教科書判定:初心者は自動バックアップ+変更前手動保存
普段は自動、重要変更前だけ手動で追加する
一般的な会社サイト・ブログなら、レンタルサーバーの自動バックアップを基本にし、WordPress・テーマ・プラグイン更新やサーバー移転など大きな変更前だけ手動バックアップを追加してください。最低3〜5世代を残し、重要サイトは外部保存も用意します。
よくある質問
Q.WordPressのエクスポートだけでバックアップできますか?
完全バックアップにはなりません。記事データの移行には使えますが、画像ファイル、テーマ、プラグイン、各種設定などを完全に戻すにはファイルとデータベースの両方が必要です。
Q.サーバーの自動バックアップだけで十分ですか?
小規模サイトでは基本運用として便利ですが、重要サイトでは外部保存も推奨します。また、保存期間・対象・復元方法を確認してください。
Q.バックアップは毎日必要ですか?
更新頻度によります。更新が少ない会社サイトなら週1回程度でも運用できます。注文・予約・記事更新が毎日あるサイトは1日1回以上を検討してください。
Q.何世代残せば安心ですか?
最低3〜5世代を一つの目安にし、問題発見まで時間がかかるサイトでは7〜14日以上など長めに残します。
Q.バックアップファイルはどこに保存すればいいですか?
本番サーバーだけでなく、別サーバー、クラウドストレージ、ローカルPCなど異なる障害範囲の場所へ分散すると安全です。
まとめ
この記事の結論
- バックアップは障害・誤操作から復旧するために必要
- WordPressはファイル+データベースを保存する
- 更新頻度に合わせて週1回〜毎日以上で取る
- 最低3〜5世代を残す
- 重要サイトは外部保存も行う
- 大きな変更前には手動バックアップを追加する
- 実際に復元できるかまで確認する
Webサイトのバックアップは、「取ってある」だけでは不十分です。ファイルとデータベースを保存し、複数世代・外部保存・復元確認まで行って、初めて実用的なバックアップになります。
次に読むなら
バックアップの基本が分かったら、「バックアップは何世代残すべき?」を確認すると、保存期間と容量のバランスをさらに具体的に決めやすくなります。