WordPressのバックアップは、記事データだけ保存すればよいわけではありません。元の状態へ戻すには、データベースとWordPressファイルの両方を保存するのが基本です。さらに、バックアップがあっても復元できなければ意味がないため、「何を保存するか」だけでなく「どこへ保存し、何日前まで戻せるか」まで決めておくことが重要です。
30秒でわかる結論
- WordPressの完全バックアップは「データベース+ファイル」の両方が基本
- データベースには記事・固定ページ・設定など、ファイルにはテーマ・プラグイン・画像などが含まれる
- 一般的な小規模サイトなら、最低でも週1回をひとつの基準にする
- 更新頻度が高いサイト、EC、予約サイトは毎日バックアップを検討する
- バックアップはサーバー内だけでなく、外部ストレージやPCなど別の場所にも保存する
- WordPressの「エクスポート」は完全バックアップではない
- 最重要なのは「バックアップがあること」ではなく「実際に復元できること」
WordPressバックアップは「2種類」必要
WordPress公式ドキュメントでは、サイトのバックアップは大きく「データベース」と「ファイル」の2つに分かれると説明されています。
| バックアップ対象 | 主に含まれるもの |
|---|---|
| データベース | 投稿、固定ページ、コメント、各種設定など |
| WordPressファイル | テーマ、プラグイン、画像、wp-config.phpなど |
ここで伝えたいポイント
データベースだけでは画像やテーマが不足し、ファイルだけでは記事本文やWordPress設定が不足します。サイト全体を元に戻すなら、両方を同じ時点の「1セット」として保存するのが基本です。
データベースには何が保存されている?
WordPressのデータベースには、記事や固定ページだけでなく、サイト運営に必要な多くの情報が保存されています。
- 投稿記事
- 固定ページ
- コメント
- カテゴリー・タグ
- メニュー
- ウィジェット設定
- WordPressの各種設定
- プラグインが保存する設定データ
具体例
「記事はあるのに画像が表示されない」という状態は、データベースだけを戻してファイル側を復元していない場合にも起こります。逆に画像ファイルだけ残っていても、記事本文や設定を含むデータベースがなければ元のサイトには戻せません。
WordPressファイルには何が入っている?
WordPressファイルには、WordPress本体、テーマ、プラグイン、アップロード画像などがあります。
| 主なファイル・フォルダ | 役割 |
|---|---|
| wp-content | テーマ、プラグイン、画像など |
| wp-config.php | データベース接続などの重要設定 |
| .htaccess | URL・アクセス制御などに使われることがある |
| WordPressコア | WordPress本体を動かすファイル |
WordPress公式では、完全なサイトバックアップではデータベースとファイルの両方を保存するよう案内されています。
WordPressのバックアップ方法は3つ
初心者が使いやすい方法は、主に次の3つです。
| 方法 | 難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|
| レンタルサーバーの自動バックアップ | 低い | 初心者・一般サイト |
| バックアッププラグイン | 低〜中 | 外部保存や細かなスケジュールを設定したい人 |
| 手動バックアップ | 中〜高 | 自分でファイル・DBを管理したい人 |
方法1:レンタルサーバーの自動バックアップ
最も簡単なのは、レンタルサーバー側の自動バックアップ機能を使う方法です。
サーバーによって、保存日数、復元料金、復元方法、対象データが異なるため、次の項目を確認してください。
サーバーバックアップの確認項目
- 何日分保存されるか
- Webファイルとデータベースの両方が対象か
- 自分で復元できるか
- 復元料金がかかるか
- バックアップ先が本番環境と分離されているか
注意
「自動バックアップあり」と書かれていても、復元条件まで同じとは限りません。契約前・利用中に、保存日数と復元手順まで確認してください。
方法2:バックアッププラグインを使う
WordPressには、バックアップを自動化できるプラグインがあります。Google Drive、Dropboxなどの外部ストレージへ保存できる製品もあります。
プラグインを使うメリットは、サーバー側バックアップとは別に、自分で保存先や頻度を管理しやすいことです。
具体例
サーバー側で14日分、自分のバックアッププラグインで週1回・4世代を外部ストレージへ保存しておけば、「サーバー側で戻せない場合」の予備を持てます。
ただし、バックアッププラグイン自体がエラーになっていることもあります。設定しただけで安心せず、定期的にバックアップファイルが作成されているか確認してください。
方法3:手動でバックアップする
手動バックアップでは、WordPressファイルをFTP・SFTPなどで保存し、データベースをphpMyAdminなどからエクスポートします。
SQL形式などで保存します。
wp-content、wp-config.phpなどを含めて保存します。
ファイルとDBの組み合わせが分からなくならないよう管理します。
手動バックアップは自由度が高い一方、初心者には操作ミスのリスクがあります。通常運営では自動バックアップを基本にし、大きな更新前だけ手動で追加保存する方法も現実的です。
バックアップ頻度はどれくらい?
バックアップ頻度は、「何日分の更新を失っても許容できるか」で決めます。
| サイト | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 更新の少ない会社サイト | 週1回+更新前 | 日々の変更量が少ない |
| 週数回更新するブログ | 毎日〜週1回 | 記事更新量に応じて決める |
| 毎日更新するメディア | 毎日 | 1週間分消える損失が大きい |
| EC・予約サイト | 毎日〜より高頻度 | 注文・予約データが増える |
バックアップ間隔 = 失っても許容できる更新期間
具体例
毎日10件の注文が入るサイトで、バックアップが7日前しかなければ、最大70件分の注文データを失う可能性があります。更新頻度が高いほど、バックアップ間隔も短くする必要があります。
何世代残せばいい?
最新バックアップ1個だけでは、壊れた状態をそのままバックアップしてしまった場合に戻せません。
WordPress公式では、複数世代を異なる場所に保存する考え方が案内されています。
初心者は「サーバー自動バックアップ+外部保存」を基本にする
一般的なWordPressサイトなら、サーバー会社の自動バックアップだけに頼らず、重要な更新前や定期的なタイミングで外部ストレージにも保存しておくと安全性を高められます。最低でも3〜5世代を残せる運用を基準にしてください。
WordPressのエクスポートはバックアップ代わりになる?
WordPress管理画面の「ツール」→「エクスポート」では、投稿・固定ページ・コメント・カテゴリーなどをXML形式で出力できます。
しかし、このエクスポートファイルは完全なサイトバックアップではありません。
注意
エクスポートには、テーマ・プラグイン・サーバー設定・すべての画像ファイルなどが完全な形で含まれるわけではありません。サイト移行用の一部データとしては使えますが、完全バックアップの代わりにはしないでください。
更新前は必ずバックアップする
WordPress本体、テーマ、プラグインを更新する前には、直前バックアップを取っておくと安全です。
バックアップを追加で取るタイミング
- WordPress本体の大型アップデート前
- テーマ変更前
- 主要プラグイン更新前
- PHPバージョン変更前
- サーバー移行前
- 大量記事・画像の削除前
ここで伝えたいポイント
日次・週次の定期バックアップとは別に、「大きな変更の直前バックアップ」を残すと、問題が起きた時点を特定しやすくなります。
バックアップはサーバー内だけに置かない
本番サイトと同じサーバー内だけにバックアップを置くと、サーバー全体の障害やアカウントトラブル時に、バックアップも同時に使えなくなる可能性があります。
| 保存場所 | 役割 |
|---|---|
| レンタルサーバー側 | 素早い復元 |
| クラウドストレージ | サーバー外の予備 |
| PC・外付けストレージ | さらに独立した保管先 |
初心者はこれでOK
まず「サーバー側の自動バックアップ+別の場所に1コピー」を作ってください。完全な多重化を最初から目指すより、同じ場所にしかない状態を避けることが重要です。
復元できるか一度試す
バックアップは、実際に復元できて初めて役に立ちます。
特に会社サイトや収益サイトでは、ステージング環境やテスト環境を使って一度復元を試すと安心です。
復元時間も確認する
バックアップがあっても、復元に3時間かかるのか15分で戻せるのかで、障害時の影響は大きく変わります。重要サイトでは「保存できるか」だけでなく「何分・何時間で戻せるか」も確認してください。
用途別のバックアップ判断
週1回〜毎日を目安にし、記事更新前後で追加保存。サーバー自動バックアップ+外部保存が現実的です。
週1回以上に加え、ページ改修前にバックアップ。問い合わせフォームや会社情報を確実に戻せることを確認します。
毎日またはより高頻度を検討。注文・予約データが何時間分失われると困るかで頻度を決めます。
週1回程度でも足りる場合がありますが、WordPress・テーマ・プラグイン更新前には必ず直前バックアップを取ります。
バックアップ方法の判断フロー
はい → 保存日数・復元方法を確認
いいえ → 外部ストレージへ追加保存
はい → 毎日またはより高頻度を検討
いいえ → テスト環境で一度確認
教科書判定:バックアップは「ある」より「戻せる」を基準にする
一般サイトは週1回以上、更新頻度が高いサイトは毎日を基準にする
更新の少ない会社・個人サイトなら週1回以上を基準にし、大きな変更前に追加バックアップを取ります。毎日記事・注文・予約が増えるサイトは毎日またはより高頻度にします。さらに、バックアップを3〜5世代以上残し、少なくとも1コピーは本番サーバーとは別の場所へ保存してください。
よくある質問
Q.レンタルサーバーの自動バックアップだけで十分ですか?
一般的なサイトでは大きな助けになりますが、重要サイトでは別の場所にもコピーを持つほうが安全です。サーバー側バックアップの保存日数・復元条件も確認してください。
Q.WordPressのエクスポートだけで復元できますか?
完全復元用のバックアップにはなりません。投稿や固定ページなどは出力できますが、テーマ、プラグイン、サーバー設定などは別途必要です。
Q.画像だけバックアップすればいいですか?
不十分です。記事や各種設定はデータベース側にあるため、WordPress全体を戻すにはデータベースとファイルの両方が必要です。
Q.何日分のバックアップを残せばいいですか?
少なくとも3〜5世代を残し、サイトの更新頻度に応じて増やします。更新ミスに数日後気づく可能性があるなら、1日分だけでは不十分です。
Q.バックアッププラグインを入れれば安心ですか?
設定だけでは不十分です。バックアップが実際に作成されているか、保存先へ届いているか、復元できるかを定期的に確認してください。
まとめ
この記事の結論
- WordPressはデータベースとファイルの両方を保存する
- サーバー自動バックアップをまず確認する
- 重要データはサーバー外にも保存する
- 一般サイトは週1回以上をひとつの基準にする
- 更新頻度が高いサイトは毎日以上を検討する
- 3〜5世代以上残す
- エクスポートを完全バックアップと考えない
- 一度は復元テストを行う
結局、WordPressバックアップで重要なのは「ファイルが保存されている」ことではなく、「必要な時点へ確実に戻せる」ことです。データベースとファイルをセットで保存し、複数世代・別保存先・復元確認まで行ってください。
次に読むなら
バックアップ方法が分かったら、次は「WordPressを移行する方法」で、バックアップデータを使って別サーバーへ移す流れを確認すると、復元と移行の違いを理解しやすくなります。